きょうだいげんかには子どもを育てる効果がいろいろ

 子育て中、しかも子どもが複数人いると家庭の中ではきょうだいげんかが絶えません。でも実はきょうだいげんかは、子どもの人間関係の能力を磨いてくれる術だったりします。子どもにとってきょうだいげんかが必要なわけとは? 

きょうだいげんかは人間関係の練習の場

 きょうだいがいると特に小さいうちはささいなことでけんかをします。子どもが泣きわめいたり、ケガをしてしまわないかと親としては気がかりですよね。きょうだいげんかをなんとか少なくできないか…とお悩みのかたも少なくないでしょう。

しかし、元来子どもは自分の欲求で自我を育てていくもの。けんかをすることで、がまんすることや、気持ちをコントロールすることを学んでいくのです。けんかという葛藤が子どもの人間関係の能力を磨いてくれるというわけです。

きょうだいどうしのけんかというのは、友だちとのけんかとは少し違うようです。きょうだいだからこそ、自分の欲求を思いっきりぶつけられるのです。 「きょうだいげんかが多いからだめ」というようにとらえないことが大事です。

欲求不満が人間を向上させる

 きょうだいげんかが人間関係の練習の場として、どのような役割を果たしているのでしょうか?

例えば、幼い頃のきょうだいげんかの理由は、おもちゃなどのものの取り合いがほとんど。お姉ちゃんが遊んでいるところに弟が邪魔して、その仕返しにお姉ちゃんが弟の持っているものを取り上げることがあります。これは、弟に自我や所有感覚が芽生えた証でもあります。こんなところにも子どもの成長は感じられます。

しかし、自我や所有感覚は、とかくきょうだいげんかを引き起こしがち。
おやつやおもちゃ、テレビのチャンネル…子どものものの取り合いは、きょうだいの永遠のテーマなのだとか。たかが、おやつ、たかが、おもちゃ、でも子どもにとっては大きな問題なのです。大人から見たら、ささいなものですが、そんな欲求不満が子どもを攻撃的な行動に向かわせるのです。
でも、欲求不満は人間の向上にとって欠かせないエネルギー。好奇心ややる気が強い人は、欲求不満の強い人です。子どもはものを取り合うことで、人間が向上するためのエネルギーを磨いているとも言えるのです。

とはいえ、子どもたちがいつもいつもけんかしていると親としても不安に思うこともありますよね。「やめなさい!」とつい声を荒げてしまう日もあるかもしれません。でも、子どもの成長のためにも必要なきょうだいげんか。けんかが多いから仲が悪いということもありません。「きょうだいげんかはあって当然」、子どもたちも成長しているんだ、とドンと構えて見守ってあげてください。

参考:「きょうだいの性格と育て方」山田洋子・畑田国男(主婦の友社)

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