子どものやる気をあげる「ごほうび」はモノよりも“言葉”
「テストで100点取ったら○○を買ってあげる」など、ごほうびで子どものやる気をアップしようとしたことがある人は少なくないのでは? なにしろ即効性があるので、つい使いがちな作戦です。でも、多用することで子どもの将来に影響が…。それはどんな影響なのでしょうか。
モノでやる気アップを図るのはキケン
子育ての中で、ついやってしまいがちなモノで子どもをつる方法。子どももモノをダシにされると張り切ってくれます。しかし、実はこのやり方は、子どもの価値観を歪めてしまうキケンな方法なのです。子どもは、たしかに一時的にがんばるかもしれませんが、モノをもらえない状況になるとやる気がなくなってしまいます。モノというのは、お金だったり、おもちゃだったり、いろいろかもしれませんが、もらったとたんにそのモノに飽きてしまいます。手に入れることが目標になり、モノは増え、モノを大事にするという価値観も損なわれてしまうのです。
またモノを大事にするという価値観は、子どもの片付け習慣を身につけさせるためにも有効なのだとか。片付いた空間は、リラックスでき、子どもの学習能力もアップするそうですよ。
モノではなく言葉でほめる
モノで子どものやる気をアップさせると、子どもは見返り欲しさに動くようになります。本来やる気というのは、自発的であるべきもの。それがモノありきになってしまうのです。見返りがないときはなかなかやる気が出ない子どもは、将来嫌なことがあったときにがんばれず逃げ出してしまう人間になるとも言われます。
自分からがんばれる人に育てるためにはどうずればいいのでしょうか。それは、モノではなく言葉でほめること。とくに過程をほめることがポイントです。努力した過程をほめられた子どもは、努力することに意欲的になるという傾向があります。難問に向き合うときも、努力できる子どもは、じっくりと取り組み解決していくことができるのです。これは、学ぶことを好きになったり、将来人生を切り開いていける力にもつながる大事な力になります。
がんばった子どもへのごほうびは大事。子どものやる気をごほうびでアップするのもあり、なのです。ただし、モノではなく、言葉でほめてあげること。とくに親にほめられるというのは子どもの自信につながります。見守られているという安心感も子どもにとっては心地よいものなのかもしれません。ちゃんと努力するのを見ていたよ、という気持ちを込めてがんばったことをしっかりほめてあげましょう。
参考文献:
「「やればできる!」の研究—能力を開花させるマインドセットの力」キャロル S.ドゥエック・著 今西 康子・翻訳 草思社
「子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣」 佐藤 めぐみ・著 あさ出版