幼児の視力 悪くならないためにできること

 就学すると毎年行われる健康診断で視力検査も行われます。でも、未就学児の場合は、自主的に眼科でチェックしないと視力が悪いことに気づけないことも。今、スマホやタブレットで遊ぶ幼児も多く、視力への影響が気になるところ。幼児の視力が正常に発育するために心がけておきたいこととは?

近くのものを長時間見続けることが近視の原因に

 近視の幼児が増えているそうです。平成26年度の「裸眼視力1.0未満の者」の割合は、幼稚園26.53%。前年度は24.53%。ちなみに10年前の平成16年度は、20.78%でした。(※)
幼児の視力不良には、テレビゲームやスマートフォンなど、手元のディスプレイ画面を長時間見ることが原因のひとつと考えられているとか。

元来、幼児は、眼球や視力(視機能)の発育途中の大事な時期にあります。また、大人より眼球の長さが短いため、遠視状態にあるといわれています。それが、ディスプレイなどを見るときには、水晶体を調節して対応します。このとき、毛様体筋という筋肉を使うため、長い時間近くのディスプレイを見ていると目に負担がかかりやすく、近視傾向になりやすいかもしれません。近くを見ることの多い生活環境が多い現代。保護者としては、子どもの視力(視機能)を把握して適切な視環境を心がけてあげたいものです。

まずは子どもの視力(視覚)を把握すること

 視覚が発達する時期は限られていて、生後3ヵ月~6ヵ月から急激に発達し始め、8歳位まで発達が続いていきます。この視覚の発達する過程でなんらかの問題があり正常に発達できないと、視機能に影響を及ぼす可能性があります。年齢が大きくなってから治療を開始しても手遅れになることもあります。特に強い遠視や乱視がある場合には、眼鏡をかけても視力が正常に育たない弱視になることがあり、早期に適切な眼鏡を装用し視力を育てていく必要があります。

特に幼児は自分の見え方がよく見えているのか、自分で判断することはできません。視力が悪くても「見えない」と訴えることは少ないのです。まず子どもがどのぐらい見えているものなのか、眼科を受診し「近視や遠視、乱視がどれ位あるのか」「視覚の発達に影響する眼の病気はないか」を調べましょう。赤ちゃんからでも検査や診察を受けることができます。

一度発達した視力が低下しないために気をつけること

 仮性近視といわれているものは近くの物を見つづけると目の中にある毛様筋が過度の緊張状態にあることで、焦点がうまく合わせられない状態。この場合は、遠くの物を見たり、毛様筋の緊張をほぐす点眼治療を行うこともあります。精密検査で仮性近視と診断された場合は、点眼や日常生活の改善が必要になることもあります。

近視を治すことは、現在の医療ではまだ難しいと言われていますが、早めに視力の低下を見つけることで近視の進行を若干、遅くすることは、ある程度可能です。幼児がテレビを観るときに、過度に近くで観ようとする場合、近視だけでなく他の眼疾患も疑って、検査、診察を受けることをおすすめします。

・テレビやタブレット、スマホなどを長時間見続けない
・目を使ったあとは、遠くを見て毛様筋の緊張を緩める
・本を読んだり、勉強をさせるときには姿勢に気をつける

中でもスマホなど小さい画面でのゲームは、画面に近づいて見るほか、まばたきもせずゲームに集中することで、毛様筋の緊張が続いて近視になる可能性が高いといわれています。1日のゲームの時間は1時間を目安とし、30分経ったら10分くらい目を休ませるとよいでしょう。子どもたちの健やかな視力のためにも、十分に気を配ってあげたいものですね。

  • ※文部科学省の2014年度学校保健統計調査
  • http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2015/03/27/1356103_3.pdf

監修:医療法人社団済安堂 井上眼科病院グループ
小児専門の外来を設けており、保護者の方の目の届くところで全ての検査と診察を行います。小児特有の屈折異常、弱視、斜視、先天眼疾患などあらゆる小児の眼疾患を扱っており、予約制でお子さま一人一人に、十分な時間をかけ、丁寧に対応しています。

医療法人社団済安堂
お茶の水・井上眼科クリニック
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