保護者を拒否する根底には自立心の芽生えが 子どもの成長を上手にサポートするには
児童期の子どもは、体や環境の変化にともない、心にも変化が生じる。近年は、この時期に自立心が芽生え始め、これまでと違う反抗的な態度を取る子どもも多くなっているという。そこでベネッセ教育情報サイトでは、児童期に見られる自立心の芽生えと、保護者の子離れについて、目白大学人間学部教授の小野寺敦子氏に聞いた。
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近年は、子どもの栄養状態がよくなったことや情報量の多さなどから心身の成長が早まる傾向が強く、自立心の芽生えも6歳から10歳ぐらいの児童期によくみられるようになっています。女の子は小学校3年生ぐらいから、男の子は5年生ぐらいから芽生え始めるようです。
自立心が芽生え始めると、子どもは「保護者への反抗」という形でサインを表します。これらのサインには、青年期の場合と少し違い、児童期ならではの特徴があります。「保護者に甘えたいけれど甘えられない」という思いから、保護者を拒否することです。また、その時々によって態度が変化する場合もあります。このような態度の変化に翻弄されず、子どもに何が起こっているのか理解するよう心がけることが大切です。
子どもたちが保護者に反抗的な態度をとる要因は、主に2つあります。一つは保護者が関係する要因です。この時期の子どもの体は、ひげが伸び始めたり胸がふくらみ始めたりするなど、急速に成長していきます。それと同時に、恥ずかしさやとまどいを覚えるようになり、気持ちをコントロールすることが難しくなったりもします。このような子どもの変化に気づかずにいると、やがて子どもは保護者との関わりを嫌がるようになり、反抗的な態度へとつながるのです。よく注意して、子どもの変化に早く気づき、サポートしてあげることが大切です。
もう一つが、子どもの自己形成です。この時期の子どもたちは、どんどん視野を広げ、社会性を身につけていきます。友だちとの関係の中で、社会生活の基本的なルールを学ぶと同時に、「自分はどんな人間なんだろう」と考え始めるのです。やがて、自分を見つめ直すことで、保護者の態度に疑問を感じたり批判したりと、反抗的な態度をとるのです。
出典：子どもの自立心の芽生えと上手な子離れ【前編】 -ベネッセ教育情報サイト
