乳幼児に発症しやすい「砂かぶれ様皮膚炎」、注意すべきポイントは?
1歳をピークに、0歳後半~4歳児に発症しやすい「砂かぶれ様皮膚炎」。良性の疾患だが、治るまでに約1か月かかるため、不安に思う保護者は多いようだ。ベネッセ教育情報サイトが、神奈川県立こども医療センター皮膚科部長の馬場直子氏に対応のポイントを伺った。
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砂かぶれ様皮膚炎は熱もほとんど出ず、重症化しにくい良性の疾患です。大流行するようなこともないため、一般的にはあまり知られていないようです。症状が現れる部位や真っ赤に腫れる状態など、初期症状が似ている皮膚炎として手足口病・川崎病・溶連菌感染症の3つがあります。こうしたほかの皮膚炎と鑑別するためにも、病院で診断してもらいましょう。
特徴として、特定の時期や地域で流行する疾患ではないことが挙げられます。感染しても症状が出ない場合もあり、そのような子どもは大勢いるでしょう。したがって予防のためにできることはあまりないのですが、良性の疾患ですので過度に心配する必要はありません。
対処療法ではステロイド軟膏(なんこう)を使います。小さな子どもに塗ることに抵抗があるかたもいるようですが、「かいちゃダメ」と言っても子どもには難しいもの。かゆみでストレスがたまるようであれば、薬を塗ったほうが精神的によいかと思います。
病院で診察を受け、ステロイド軟膏を処方されたのであれば問題ありません。夜、子どもが寝付いたら、薬を塗ってみてください。寝付けないほどかゆいのであれば、軟膏を丁寧に塗り込み、余った部分をティッシュなどで拭き取りましょう。しみこんだ薬はなめても簡単には取れず、口から吸収される心配は少ないと思います。また、冷やした濡れタオルなどで患部を冷やすと、かゆみを抑える効果があります。
子どもが砂かぶれ様皮膚炎になっても、保護者が感染することはほとんどありません。ほかの人との接触をまったく絶つ必要もないので、普段どおり保育園や幼稚園の生活を送ってください。
出典:乳幼児がなりやすい砂かぶれ様皮膚炎って何?【後編】気を付けたいポイント -ベネッセ教育情報サイト