子どもの安全教育は自分で危険を自覚すること 専門家からの提言
子どもが犯罪や事件に遭遇することがあとを絶たず、安全への関心が高まっている。「うさぎママのパトロール教室」を主催する安全インストラクターの武田信彦氏は、学校・保護者・地域の三者が協力して、子どもたちを見守るのと同時に、子ども自身の安全力を高めることも必要だと言う。子どもの安全力について、ベネッセ教育情報サイトが、武田氏に伺った。
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日本のように子どもだけでおつかいができるような環境は、世界的に見れば当たり前ではなく、安全レベルが高いと言えるのかもしれません。その一方で、街への人の出入りが活発になり、お互いへの関心が低くなりつつあります。そうしたことから、PTAや地域のボランティアによる防犯パトロールが、各地で積極的に行われています。残念なのは、学校・PTA・地域がばらばらに活動していて、連携していない場合が多いことです。
小学生となり、学年が上がるにつれて、子どもだけで行動することが多くなり、一人になってしまう瞬間も生まれます。そうしたスキを突いて、犯罪が起きています。いきなり安全への意識を高めるのは難しいので、小学校に入る前から、自分の身は自分で守るという意識を持たせてください。いつまでも保護者が守ってばかりいては、「誰かが守ってくれるだろう」という意識が抜けません。
「危険な場所」は特定できません。「今、自分は一人なのだ」と子ども自身が自覚することが重要です。まず一人であると認識し、周囲を観察するなど、自分の周りに注意を払うことが、危険を避ける第一歩となります。危害を加える人物像も、外見だけでは判断できません。「怪しい人物像」の先入観を持たせるのは、かえって危険です。
危険な場面に遭遇したら、とにかく「逃げる」「助けを求める」ことです。「逃げる」というのは、助けてくれる人がいるところまで走って逃げ切ることです。あまりの恐怖に声も出ない時は、壁をどんどんたたく、「わー」などとにかく大きな声を出す。周りに気付いてもらうのが一番の目的です。護身術はたとえ何度練習したとしても、とっさに出てくるものではありません。まずは「逃げる」「助けを求める」ことをしっかり教えてほしいと思います。
出典:子どもの安全力を高める【前編】子どもの安全力とは何か -ベネッセ教育情報サイト
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