地域で子育てを助けてくれる「ファミリー・サポート・センター」とは?
たとえば仕事の都合やイベントで、保育園、幼稚園、習い事の教室などへのお子さまの送り迎えをどうしよう…と困ったことはありませんか? そこで今回は、厚生労働省が構想・設立した「ファミリー・サポート・センター」の送迎サービスについて、女性労働協会の小林さんにお話をうかがいました。
地域において、仕事と育児の両立を応援する組織
「ファミリー・サポート・センター」は、子育てを市区町村などの地域で相互援助するための手伝いをする組織です。
もともとは、働く女性の仕事と育児の両立支援として平成6年にスタートした、国の事業。働きたいのに子どもを保育園に入れることができなかったり、保育園が終わってしまう時間でも働いていなければならなかったりする女性に対し、同じ地域に住む、すでに子育てを終えたかたなどが、「その間、自宅で面倒を見てあげましょう」と申し出たところから始まったとされています。そういった支え合いを仲介する場として、ファミリー・サポート・センターが全国に展開。当初は4ヵ所ほどでしたが、今では日本中に740ヵ所ものセンターが存在するまでになりました。
これは、保育園などだけではカバーしきれない保育の部分を補完するもので、初めは働いている母親だけを対象にしていましたが、今では働いている、いないにかかわらず、子どもを持つ人であれば誰でもお子さまを預けたいときに預けられるようになりました。
「送迎」のニーズが「預かり」よりも増えてきている
【相互援助活動の例】
・保育施設への送り迎え
・保育施設の開始前や終了後の子どもを預かる
・学校の放課後や学童保育の終了後の子どもを預かる
・学校の夏休みや冬休みなどに子どもを預かる
・他の子ども(兄弟姉妹)の学校行事の際、子どもを預かる
・保護者が買い物などで外出の際、子どもを預かる
・保護者の病気や弔事などの急用時に子どもを預かる
・病児・病後児の預かりや、早朝・夜間などの緊急時に預かる
このように、相互援助活動の一例として「子どもの送り迎え」があります。
平成26年度の、ファミリー・サポート・センターの「内容別活動件数」の調査では初めて、「保育施設までの送迎」が37万2855件(23.1%)で最も多いという結果になりました。同様に「学校の放課後の学習塾等までの送迎」(20万2656件/12.6%)も多く、年々「送迎」が増加傾向にあります。
前回調査までは、「保育施設の保育開始前や保育終了後の子どもの預かり」が最も多かったのですが、だんだん保育施設の営業時間が長くなってきているため、「預かり」そのものより、「送迎」が増えてきているのでしょう。また、塾へ行ったり習い事をしたりするお子さまも増えているようです。
地域で子育ての支援が受けられるのは頼もしいですね。子どもの送り迎えも毎日となると大変。地域の支えがあれば、子育て中の忙しいお母さんやお父さんも気持ちにゆとりが生まれるのではないでしょうか。