<うそ>で逃げない子どもを育むために 専門家「気持ちを言語化する経験が大切」

<うそ>で逃げない子どもを育むために 専門家「気持ちを言語化する経験が大切」ほんの小さなうそがきっかけで、人間関係がこじれたり、いじめに発展したりすることがある。人を傷つけるようなうそをつかせないために、保護者はどのようなことに気を付ければよいのだろうか。スクールカウンセラーの渡辺友香氏に伺った。

 

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ちょっとしたうそであればそれほど気にする必要はありませんが、下記のような場合は、少し注意が必要です。

 

● うその回数が多い
● 人に迷惑をかけたり誰かを傷つけたりするうそをつく

 

失敗をたびたび隠すようなことがあれば、保護者が過度にプレッシャーを与えており、うそをつかざるを得ない状況だということも考えられます。また、自信のなさから、もっと自分をよく見せたいという気持ちが根底にあるのかもしれません。ですから、「失敗しても大丈夫」「今のままで大好きだよ」ということを、折に触れて伝えておくことが大事だといえます。人に迷惑をかけたり、誰かを傷つけたりするようなうそをつく場合は、保護者だけではフォローできない場合もありますので、学校の先生に相談するなどしていただきたいと思います。
自分に都合のよいように解釈する傾向が強い子どもは、うそをついているつもりがなくても、本人の発言が実際とずれている場合があります。このような子どもは人からの信頼を失ってしまいがちですので、相手の気持ちを考えたり、客観的な視点を持ったりできるような支えが必要です。

 

また、自分の状況や気持ちをうまく表現できないために、うそで逃げてしまうことがあります。たとえば、学校で友達とトラブルになったのに、保護者にうまく説明できず、何もなかったように振る舞ってしまうことがあるかもしれません。幼いころから失敗を叱って済ませるのではなく、「悔しかったんだね」などと気持ちを受け止め、一緒に考えてあげるとよいでしょう。失敗やつらかったことなど、もやもやした気持ちを言語化する経験をしておくと、簡単なうそで逃げずに済むようになります。また、感情表現は保護者がお手本になりますので、ご家庭のなかで、自分の気持ちを表現する語彙(ごい)をたくさん使って会話をしてほしいですね。

 

出典:子どものうそ どう対応すべき?【後編】子どもにうそをつかせないために -ベネッセ教育情報サイト

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