我が子の幸せを願うなら…コーチングのプロが語る「教えない」子育て

我が子の幸せを願うなら…コーチングのプロが語る「教えない」子育て毎日続く子育て。なかなか自分から動こうとしない我が子に、「勉強しなさい」「部屋の片付けは終わったの?」などと、ついあれこれ指示してしまうことはないだろうか。「目先のことではなく、子どもに将来どうなってほしいのかを考えて」と話すコーチングのプロ、石川尚子氏にお話を伺った。

 

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「うちの子は何度言っても言うことを聞かない。勉強だけではなく、片付けも、返事も。どうすればやる気になるでしょう?」。小学4年生の子どもを持つAさんから相談を受けました。

 

「お子さんに将来、どうなってほしいですか?」と逆に質問したところ、「自立して、幸せに生きてもらいたい」とAさん。「そのためには、どんな大人になってもらいたい?」とさらにたずねると、「親に言われなくても、自分で何でもできる人になってほしいです……。あっ、私が言ってしまうから、言われないとできない子になっているんですね」と、さっそく問題点に気付いた様子。「今後は私から『やれ』と言わずに、子どもに考えさせます」と明るくおっしゃっていました。

 

私たちは日々の子育ての中で、なぜ子どものやる気を引き出す必要があるのか、子どもにどうなってもらいたいのかという点を、時々、思い出す必要があるでしょう。ゴールを見失って目先のことばかりに反応していないか、考えてみるのです。私がビジネスコーチとして多くの社会人と接する中で思うのは、「社会に出てものをいうのは、学力よりもコミュニケーション力と課題解決力」だということ。「言うことを素直に聞く子」だけでは危ういです。

 

「ああしろ、こうしろ」と言うのではなく、子どもが自ら考えて行動する機会を作りましょう。課題を自分で解決した体験が多いほど自己肯定感は高まり、生きる原動力になります。将来の幸せを願うなら、やはり、「教える」のではなく「考えることを促す」、「与える」のではなく「引き出す」コミュニケーションだと思うのです。

 

出典:子どもに「幸せ」になってもらいたいのなら -ベネッセ教育情報サイト

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