増える反抗期がない子ども 心配なパターンとは?

近年増えている「反抗期がない」子ども。なくても特に心配のないパターンがある一方で、心配すべきケースもあるという。スクールカウンセラーとして活動している、奈良女子大学教授の伊藤美奈子氏に話を伺った。

 


増える反抗期がない子ども 心配なパターンとは?

 

反抗期は、保護者が上・子が下というタテの親子関係を、子どもが自分のところにまで保護者を引きずり下ろしてヨコにしようとする、結び直し作業の時期です。そのため、思春期を迎える段階で、子どもがある程度「上がっている」(成長している)と、反抗を起こす意味がなくなり、「反抗期がない子ども」となります。このパターンなら特に心配はありませんが、一方、下記のような心配なパターンもあります。

 

(1)タテの関係がずっと続く
親子のタテの関係が、思春期が終わり、青年期・成人期を迎えても、そのまま続いているパターンです。このように保護者の保護や支配が強すぎると、子どもは「人間として対等になる」という、ヨコの関係を築く機会を失います。結果として、その子が結婚(独立)したとき、パートナーとヨコの関係がうまく築けない……といったことが起きるかもしれません。

 

(2)よくない意味での「友達親子」
保護者が子どものところまで「下りてきてしまう」パターンです。このパターンは、一見「友達親子」のようですが、実はただの「子ども同士」でしかありません。
「下りてきてしまう」保護者は、子どもとの関係をこじらせたくないという気持ちが強いようです。そして、保護者が子どもにとって引きずり下ろすべき・乗り越えるべき、壁のような存在になれず、むしろ子どものほうが保護者より上になる可能性があります。これでは、子どもは「暴君」になりかねず、保護者はおろおろするばかり……という事態が心配されます。

 

ちなみに、よい意味での「友達親子」は、前編で紹介した「保護者と子どもが『対等な人間』として付き合える」親子で成立します。また、子どもが反抗期を卒業して、精神的・社会的・経済的にある程度自立したあと、親子が大人同士の友達のような関係になることがあります。これらは、とても健全な「友達親子」といえるでしょう。

 

出典:うちの子、反抗期がないんです【後編】 -ベネッセ教育情報サイト

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