サンタが13人?特徴的な海外のクリスマス
国によってさまざまなクリスマス事情があります。一つ行事を知るだけでも、文化、宗教の違いや、その土地の工夫などが反映されてつくりあげられているということがわかります。この記事では、特徴的な2つの国のクリスマスの様子をお伝えしましょう。
アイスランドのクリスマス。サンタクロースは13人
アイスランドのクリスマスは、毎年12月12日から始まります。普段サンタクロース(アイスランドでは「ユールラッズ」と呼ばれる妖精)は山に住んでいて、12日から一人ずつ、山から下りてきます。全員が山から下りてそろうのが12月24日。25日からサンタクロースはまた一人ずつ山に帰り、全員帰り終わる1月6日までクリスマスが続くのです。
「まとめて来てまとめて帰れば...」と思うかもしれません。どうしてそんなのんびりとしたクリスマスになるかというと、アイスランドという土地柄が大きく関係しています。クリスマスの時期のアイスランドは太陽が出ている時間が少なく、「日中」と呼べる時間は11時すぎから3時すぎの4時間程度。10月初めには雪が降りはじめ、5月までずっと「冬」...。そんな長い冬を少しでも楽しめればという、アイスランド人の知恵が「長いクリスマス」を生み出したのではないかといわれています。
オランダ・ベルギーはクリスマスが2回でサンタクロースが2人?
オランダ・ベルギーでは、クリスマス前の12月6日、「聖ニコラ祭」という別のお祝いがあります。聖ニコラ祭はクリスマスとは別のお祝いなのですが、やはりサンタクロースのように子どもたちにプレゼントを配る「シンタクラース」という人がやってきます。
12月5日の夜、子どもたちにはやるべきことがあります。それは、暖炉の前に自分の靴を片方だけ置いて、シンタクロースののどを潤(うるお)す水と、シンタクロースを乗せてきた白馬のためのにんじんを用意することです。さらにサンタクロースと違うのは、「シンタクラースは1年間よい子だった子どもにだけプレゼントをあげる」ということ。ですから、子どもたちはプレゼントを目にするその時まで、とても緊張しているのです。
無事シンタクロースからプレゼントをもらうと、12月25日には「クリスマス」がやってきます。オランダ・ベルギーの子どもたちにとって、冬は2回もプレゼントをもらえる機会のある特別な季節だといえるでしょう。
いろいろな文化があり、その中にもさまざまなやり方がある
こういった行事を通じ、わたしたちは他の国の文化に触れることができます。そしてまた、新しい考え方の中で新しい文化が生まれていくのです。わたしたちがこうして生きている今の時代にも、先人たちの伝統と現代のわたしたちのアイデアや価値観が反映され、新しい文化が生まれているといえるでしょう。