お食い初めとは?

 生まれた赤ちゃんが初めて母乳やミルク以外の食べ物を口にする儀式、「お食い初め」。生後100日、あるいは120日で行われるため、赤ちゃんが本当に何かを食べることはできません。食べ物や箸を口元にあてて「食べたふり」をさせ、これにより「この子が一生食べ物に困ることがありませんように」と願いを込めるのです。

 

 


食べ始め・箸初め・箸揃え・・・呼び名は違えどすべて「お食い初め」のこと

 お食い初めにはいろいろな呼び名があります。「食べ始め」「箸初め」「箸揃え」「箸立て」、そのほか「歯固め」「真魚(真名)初め」なども、お食い初めのことです。すべて食べることに関係していますし、お食い初めで実際に行われる儀式にも由来しています。それだけこの儀式が大切にされてきたということがわかりますね。

 

 実際に、多くのご家庭が何らかの形で「お食い初め」を行っています。形式にとらわれず、自分たちのやり方で自由に・・・というスタンスが定着している儀式であると言えるでしょう。

 

 たとえば、お食い初めでは鯛などの「尾頭付きの焼き魚」の料理を食べることになっていますが、鯛ではなく他の魚にしたり、鯛をかたどったお寿司にしたり、オムライスを魚の形にしたり。お金をかけず、さまざまなアイディアでのお食い初めが行われています。

 

 

赤ちゃんはごちそうを「食べるふり」と、小石に触れた箸を歯茎につけて

 お食い初めでは、各種の料理を用意し、両親や親しい親族で食事をします。その中で行うのは次の2つのことです。

 

箸でつまんだ料理を食べさせるまねをする。

 赤ちゃんはまだ大人のようなおかずを食べることができないため、「食べるふり」をさせます。形式的には、その場にいる親族の中で、最も長寿のかたにお願いすることで「長生きを願う」としたようです。赤ちゃんが男の子なら男性、女の子なら女性の年長者となります。現在は夫婦と赤ちゃんだけで行うことも多いですし、とくに気にする必要はありません。

 

箸を小石に触れさせ、その箸を赤ちゃんの歯茎に触れさせる。

 あかちゃんに「石のように固い丈夫な歯が生えるように」との願いを込めて行います。

 

 地方によっては「一汁三菜を食べさせる順番」もあります。さまざまな説がありますので、ご両親などに伺ってみてはいかがでしょうか。

 

 

倉持鎮子

自身も6歳、10歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

プロフィール



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