シンプルかつ緩やかな、イギリス版PTA活動から学ぶべきこととは?
夫の仕事の都合で、高校生の娘と家族3人でロンドン生活をスタートさせた沓澤糸氏。日本とかなり違う、イギリス版PTAについて伺った。
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日本の場合は、クラス委員のように各クラスから必ず1名は選出、というような強制感があるPTA。一方のイギリスは「やりたい人がやる」ということが基本のようです。もちろん、クラスから誰も委員が出ない場合もあるわけですが、別に構わないそうです。また、「PTA」という団体名ではなく、「Friends of School」と親しみやすい呼び名をつけている場合が多いようです。
活動自体もかなりシンプルで、日本のPTAのような会費、会報もなく、基本的には学校施設の修繕費などに充てるお金を集める、ということが活動内容のようです。具体的にはバザーやディスコパーティー(!)などのイベントを企画・運営して、その収益を学校に寄付するというもの。イベントはもちろん、子どもたちが楽しむ場なので、委員ではない保護者もイベントに参加しがてら当日だけ手伝う、という気楽なものです。
学校による違いはかなり大きいようで、家族そろって行事にも熱心に参加する保護者が多い地域もあれば、保護者面談すら欠席する保護者が多い地域もあるそうです。地域により、保護者自身の置かれている状況が大きく異なるような現状が、子どもや学校にも大きく影響している影の部分もあるようです。
イギリスでの学校への保護者のかかわりは緩やかで自主的であると感じます。日本でも、仕事を持つ保護者が増え、PTAなどの活動が難しくなってきていると感じますが、シンプルな活動内容などイギリスから取り入れられるところもあるのではないかと思います。