海外生活で英語は上達? 英語が苦手な娘の英国生活を母が語る

海外生活で英語は上達? 英語が苦手な娘の英国生活を母が語る共働き家庭の沓澤家は、夫の転勤に伴い、妻は仕事を辞め、娘の中学卒業を待って一家でロンドンでの暮らしを始めた。「子どもだったら、半年も立てば英語ペラペラに」と思う人もいるだろう。「英語が大の苦手」な娘の実際の様子を、母である糸氏が教えてくれた。

 

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高校は日本人向けの学校なのですが、往復2時間以上の電車通学を無事に毎日できるのか、親子ともに不安でした。そこで、春休みには街中に出かけ、電車内の放送、買い物の時の店員さんとのおしゃべりなどを通じて日常的に英語に触れる機会を作りました。

 

当然ながら、車内放送も店員さんの話もとても速い! 娘は「お母さん、今、なんて言ってた?」とわたし頼み。さらに、娘とバスに乗っていたある時のこと、終点のずっと手前のバス停で乗客全員が降りていくではありませんか! 「終点を変更しました。ここが終点ですので降りてください」と車内アナウンス。ロンドンではよくあるそうで、高校が始まってからの1ヶ月ほどは、途中駅まで送ることにしました。

 

娘だけでの通学を始めたある日、「今、○○という駅に来ちゃった。どうしよう」というメールが届いて大慌て。乗り換えに失敗して、学校とは別方向の電車に乗ってしまったのです。娘は駅員さんに身振り手振りを交えて相談し、大きく遅れることなく、学校近くの駅まで自力でたどり着きました。それからは、度胸がついたのか、学校の通学生仲間と電車やバスで出かけるなど、何とか英語を使いながら、親を頼らずに行動するようになりました。

 

10ヶ月が経った今、娘が「英語ペラペラか?」といえば、残念ながら決してそんなことはありません。しかし、娘の英語への姿勢は確実に変わってきました。さまざまな経験を通して、「英語は苦手」とシャットアウトしていた心が変化し、英語の音に耳が慣れてきたことは、成果といってよいと思います。

 

出典:英語との仁義なき戦い~娘の場合 -ベネッセ教育情報サイト

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