仕事の愚痴、子どもの前で言ってませんか? 働くことに前向きな子を育てるコーチング法

仕事の愚痴、子どもの前で言ってませんか? 働くことに前向きな子を育てるコーチング法就職難やニートなどが社会問題となっている昨今。働くことへの意欲や関心は、子どものうちから養っておきたいもの。キャリア教育も大切だけれど、もっと大切なのは働く保護者の日常の言動かも知れない!? 国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチの石川尚子氏が、仕事に対するポジティブな先入観を育んでくれた、自身の父母のコーチング法を語る。

 

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父は、私の受験や就職の時はもちろん、折々に「お前は運がいいやつだから」と言っていました。何をもってそう言っているのかは、はっきり示しませんが、言われ続ける中で、私は自分で理由を考えるようになりました。「きっと、あのことについて言っているに違いない」と。実際のところはわかりませんが、おかげさまで、「実力は足りなくても運がいいから大丈夫!」という気持ちで生きています。「ここぞ!」という時にも、落ち着いて臨んできたように思います。

 

母は心配症で、昔から、「大丈夫? できないんじゃないの?」「ちゃんと食べないと病気になるよ」などのマイナスの暗示をどんどん言う人です。かなりうっとうしいのですが、上手くできたことに対しては、「あんたはえらいね! 私にはそんな才能はない。私の子にしてはできすぎ」という言い方で必ず承認してくれます。それが嬉しくてがんばれたこともありました。

 

両親は共働きで、おのおの定年まで勤めあげました。それだけでも立派だと思いますが、あらためて感心するのは、「仕事がつらい」「仕事に行きたくない」というようなことを、子どもの前では一切言わなかったことです。多少、強がっている時もあったかと思いますが、父は「仕事は面白い」とかたくなに言い続けていました。そんな親の姿を見て育った私は、「仕事とは面白いものなんだ」という思い込みを持って社会人になりました。学生時代は、「早く社会に出て働きたい」と心から思っていました。そのおかげで、社会に出てから初めて、「仕事とは意外と厳しいものだ」ということを思い知りました。それでも、「がんばればきっと面白くなるはず」と思って乗り越えることができました。

 

出典:私の両親のコーチング法とは? -ベネッセ教育情報サイト

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