子どもたちが考える未来 2050年に「ワープ」はできるが「戦争はなくならない」
東京オリンピックが開かれるのは2020年。そのころ、そしてさらにその先の未来を、子どもたちはどのようにイメージしているのだろうか? ベネッセ教育情報サイトでは小学1年生~高校3年生のお子さまを対象に、将来の生活についてアンケートを行った(アンケート期間2013/11/27~2013/12/03/回答者数1,626人)。
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子どもたちが、未来の世の中をどのようにイメージしているのか、見てみると、
さまざまな観点から意見が挙がってきました。なかでも、情報技術やロボット技術など、科学技術に関する視点が多いことがわかります。また、進歩のレベルも、たとえば交通網に関して2020年はリニアモーターカーなど現時点でも計画されているもののレベルであることに対し、2050年はワープ(物質が瞬時に移動すること)といったまだ空想の世界のものでしかない技術にまで思いをはせており、未来に向けて科学技術がさらに発展していくイメージを持っているようです。
また、国際関係について見てみると、グローバル化に伴う英語の必要性を感じており、2050年には世界平和が実現している、というイメージを持っている子どももいるようです。
しかし、2050年の世界から戦争がなくなっているか聞いてみたところ、65.4%にも及ぶ子どもが「なくならない」と回答しています。
【2050年の世界からは、戦争はなくなっていると思いますか?】
その理由として、以下のように現在も原因となっている国の間の経済格差や資源の争奪、宗教・民族問題といった問題が今後もなかなか解消しないだろう、という意見は多く見られました。
●貧しい国がまだまだ残っていて、争いはなくならないと思う
●悲しいけれど、国や民族の争いは尽きないと思う。もしなくなるとすれば、宇宙からの侵略などで、地球が団結する時だと思う
●宗教問題が解決し、貧困がなくならないと奪い合いは止まらない
●人間の性(さが)として戦争はなくならない
●戦争でもうかる企業や人がいる限り、戦争はなくなりません
●人口急増により、食料や技術のつまらない取り合いが起きると思う
子どもたちは、現在の紛争の原因となっていることの根深さ、解決の難しさを、肌を以て感じているといえるでしょう。