授業中のおしゃべりに「静かにしなさい」は逆効果と、専門家
授業中でもおしゃべり、メール、居眠り三昧。そんな時に「静かにしなさい」「話を聞きなさい」と頭ごなしに命令するのは逆効果。コーチングのプロ・石川尚子氏が実体験を踏まえて語る、子どもに話を聞かせるテクニックとは?
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大学での集中講義を3日間行いました。毎年のことながら、初日の1時間目は、正直なところ、「もう帰りたい……」という気持ちになります。全員そろっていないのはもちろん、出席している学生も、寝る、隣同士でしゃべり続ける、メールを打つ、ガムをかむ、化粧をする……というありさま。
ところが、2日目あたりから、必ず変わっていくのです。わたしは「コーチ」の名にかけて、「静かにしなさい」「話を聞きなさい」などの命令形は絶対に使わないと心に決めています。それでも、静かに聞くようになるのです。
今回の集中講義にひときわ熱心に参加してくださった社会人学生の方が、こう言って帰っていかれました。
「落ち着いて話が聞けない子どもは、子どもの側に何か問題や障害があると考える指導者が多いように思いますが、今回の授業で、『やっぱり指導者しだいだ!』と思いました。紳士淑女として扱われると、子どもたちはそうなっていくものなんですね」
コーチングを定期的に受けている人が、なぜ、どんどん夢を叶えていくのかというと、コーチが「あなたは夢を叶える人」として、対話をし続けてくれるからにほかならないからです。「静かにしなさい」と叱ってしまうことは、「叱らないとできない人」として扱うことになってしまうのです。