中学校の学校行事 見学のポイント【中学受験】

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2学期は多くの学校で運動会や文化祭を開催します。例年であれば気になる学校に足を運び、実際に学校の雰囲気を感じて学校選びの参考にしたいところですが、コロナ禍によりそれが難しいため、どのように情報を得て学校選びに生かせばよいのか、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

運動会は生徒の関わり方と学校の文化をチェック

外部にあまり公開されないので在校生に話を聞く

まず運動会については、コロナ以前からもともと外部に公開していない学校が多かったのですが、現在はコロナ禍の影響で非公開もしくは保護者のみへの公開、外部に対してはよくてウェブ上での一部動画配信のみといった状況です。
したがって、その学校でどのような運動会が行われているかについては、実際にその学校に通っている塾の先輩などに話を聞くのが一番よいでしょう。

運動会は学校の文化が色濃く出るイベントです。たとえば、開成では運動会が名物行事となっており、全員参加で1年かけて準備をして盛り上げます。運動ができる子だけでなく、パフォーマンスの優れた子は応援、音楽が得意な子は応援歌作り、人をまとめていくのが得意な子は運動会準備委員会で他の生徒を指揮、といった具合に生徒が活躍し、運動会を通して先輩後輩の上下のつながりがとても強くなっています。

こうした学校の文化が色濃く出た運動会の様子を在校生から聞くことができれば、学校選びの指針になるのはもちろん、お子さんの「この学校に行きたい!」という思いを強くすることにもつながります。

ポイントは運動会への生徒の参加度と活躍度

在校生に話を聞くなかで注意したいポイントは、生徒が運動会にどの程度参加し活躍しているかという点です。
まず話をしてくれている先輩自身は運動会でどのような役割であり、どの程度参加したのか、そしてどのような活躍をしたのか、運動会の当日だけではなく準備段階も含めて話を聞きましょう。

さらに、周囲の生徒の中に面白くなさそうにしていたり面倒くさそうにしていたりした人はいなかったかという点も聞いておきたいところです。そうした生徒の参加度が低い学校はやはり少し気を付けたほうがよいでしょう。

ただし、開成のような中高6か年一貫校と、中学と高校で行事が分かれている学習院や大学付属校では、かなり生徒の関わり具合に差があります。中学生だけで運動会を行う場合は、やはり先生の関与が大きくなり、行事の運営における生徒の関与は少なくなります。そうした学校文化の違いは踏まえたうえで生徒の参加度と活躍度を確認するとよいですね。

文化祭では学校文化に加えて部活動の内容をチェック

学校で見学できる場合はお子さんの行きたい部活動を中心に

文化祭については、コロナ以前は外部に公開されている場合が多く、受験生が気になる学校の文化祭に気軽に足を運べました。
しかし、コロナ禍の影響で近年はウェブ上での動画配信のみの場合や、実際に学校に入場できる場合も厳しい人数制限や時間制限が設けられ、予約が必要な学校が多くなり、人気の学校は予約の枠が瞬時に埋まる状況となっています。

運よく実際に学校で文化祭を見学できる場合は、時間も限られていますからあれもこれもと欲張らず、お子さんが興味のある部活動の発表や展示に絞って見ることをおすすめします。

たとえば囲碁部、将棋部といったゲーム系の部活動の場合はお子さんより得意な生徒がいるかどうか、理科や鉄道などの趣味系の部活動の場合はお子さんの興味を引く内容かどうかなど、お子さん自身がどう感じるかを最優先で見ましょう。

興味のある部活動がない場合はその学校の強みに着目

特にお子さんが興味のある入りたいような部活動がないという場合には、文化祭にはその学校の強みがあると思いますから、保護者のかたがあらかじめ下調べを行ってそうした発表や展示を見せてあげて、その学校がどのような文化を持っているのかをお子さんと確認するとよいと思います。

また中高6か年一貫校の場合、運動会と同様、文化祭も高校生と一緒になります。
そうすると特に男の子の場合は高校2年生あたりから精神年齢がぐっと成長することもあり、小学6年生のお子さんには高校生のとがったパフォーマンスは過激すぎてついていけないと感じる場合もあるかと思います。
お子さんの個性によっては、先輩の自由な姿にモチベーションが上がる場合もあるかもしれませんが、保護者のかたが多少選んで見せてあげたほうが無難でしょう。

非公開や予約が取れない場合は先輩に話を聞く機会を持つ

塾や学校に問い合わせれば対応してもらえる場合も

前述したように新型コロナウイルスの収束が見通せない中で、運動会、文化祭とも非公開であったり、予約が取れなかったりで実際に学校に足を運んで見ることができない場合も多いでしょう。
この場合は、目当ての学校に進学した先輩にミニ説明会のような形で、「運動会や文化祭はどのような内容か、生徒はどのように参加し活躍しているか」を聞く機会を持つことが代替方法となります。

ある程度の規模の塾であれば、その学校に通っている先輩がいるはずです。塾に問い合わせて先輩に話を聞く場をつくってもらえないかお願いすれば、こうした社会状況ですから塾もなんとか工夫してくれると思います。

また学校自体に問い合わせて部活動を見学させてもらったり先輩に話を聞かせてもらったりする機会を持てないか頼むという方法もあります。難関校では難しいですが、中位以下の学校では対応してもらえる場合もありますし、そういう機会を積極的に設けてくれる学校はよい学校と言えます。

運動会や文化祭について知る主な目的は、学校選びのための材料集めですが、その学校がお子さんにとって「ぜひ行きたい学校」になった場合は受験に向かう動機を強め、入試までがんばる気持ちを強くする効果があります。
コロナ禍によっていろいろな制限がある状況ですが、ぜひ何らかの形でお子さんに情報が届くよう工夫してみてください。

まとめ & 実践 TIPS

運動会は公開されない場合が多いので、その学校に通っている塾の先輩などに学校の文化、運動会での生徒の参加度、活躍度について話を聞くのが一番よいでしょう。
文化祭を学校で見学できる場合は、お子さんが興味のある部活動の発表や展示に絞って見ましょう。特にそうした部活動がない場合には、その学校の強みとなる発表や展示を保護者のかたが選んで見せてあげるとよいでしょう。
実際に学校で見学できない場合は、塾や学校自体に頼んで先輩に話を聞く機会を持つことが代替方法となります。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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