受験者数は昨年度から2000人以上増加する見込み 厳しい入試状況になる学校も【2022年度入試予測】

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中学受験対策が本格化する時期となりました。
今回は、9月の四模試(四谷大塚、日能研、SAPIX、首都圏模試)の受験動向から見える2022年度入試の志願者予測について森上教育研究所がお伝えします。

2022年度の受験者総数は昨年度から2000人以上増加に

2000年以降最多に迫る可能性も

9月の四模試の受験者数は昨年度の同時期から2,000人以上増加しました。
今後の10月以降の模試で受験者数が減るとは考えにくいので、例年どおりに推移するとすれば2022年度の入試の志願者数はそのまま昨年度より2,000人以上増加すると考えられます。

これは、中学受験率が最も高かった2009年度入試の際の志願者数とほぼ同程度であり、2000年以降で最多の志願者数に迫る可能性もあります。
2022年度は学校によっては厳しい入試状況となると考えたほうがよいでしょう。

偏差値30、40台の中位層が主に増加

では2,000人以上の増加はどの層で顕著かというと、偏差値30、40台の中位層です。
学力が高く難関校を目指す層はほぼ昨年度と同程度の受験者数となっています。

塾にお聞きしたところ、3年生や4年生から塾通いをするこれまでの受験生に加えて、5年生、6年生になってから中学受験を目指すお子さんが多くなっているとのことです。
そうした受験準備を始めるのがやや遅い層が中学受験に参戦を始めていると考えられます。

難関校は高倍率校は緩和、低倍率校の人気が回復する隔年現象

具体的に学校ごとの受験者数の増減を見ると難関校では、近年男子校女子校とも倍率が高い学校は敬遠されて次の年は倍率が緩和し、次の年には人気が回復し、また倍率が高まるという隔年現象が起こっています。
模試受験者数の動きから、2022年度入試においてもこの現象が起こると考えられます。

たとえば、昨年度は倍率が低かった駒場東邦やサレジオ学院の人気が高まり高倍率となりましたが、2022年度は逆に低倍率となりそうです。
逆に昨年受験者数を減らした麻布、慶応義塾普通部、早稲田大学高等学院は倍率が高まりそうです。

同様に、昨年度受験者が減った吉祥女子は2022年度は増え、昨年度受験者が増えた桜蔭は2022年度は減ると見られます。
ただし、難関校の場合は仮に倍率が低くなっても易化することは少ないのでその点は注意が必要です。

中堅男子校の2月1日午後入試ブームは沈静化へ

中堅校では、男子の進学校が多いのですが、近年2月1日午後入試を設定して人気が高まっていた世田谷学園、巣鴨といった学校は2022年度は受験生が減りそうです。
午後入試ブームで起こった男子校人気がやや落ち着きを見せ始めたと見てよいでしょう。ただ落ち着いたといっても、このあたりの学校の倍率は2.5倍前後の決して低くはない数値ですから注意が必要です。

また東京都市大学付属、広尾学園などの共学校の2番手3番手となる中堅校も2月1日午後入試は人気があり、多くの受験者を集めています。こちらは2022年度も高い倍率のまま推移しそうです。

1月入試の埼玉は受験者増、千葉は減少傾向に

1月に入試が行われる埼玉の学校については、いずれも受験者数が伸びそうです。
代表的な開智、栄東は倍率が少し上がる可能性が高いですし、近年人気の大宮開成、青山学院浦和ルーテルはさらに受験者が増えそうです。
埼玉の学校は1.5倍から1.7倍程度の倍率となることが多かったのですが、2022年度は2倍近い倍率となる学校も出てくると考えられます。

1月に埼玉の学校で合格をもらって勢いをつけて2月に本命の学校を受ける、という受験生も多かったのですが、かえって失敗して勢いをそがれないように、慎重に学校を選ぶ必要があります。

1月末に入試が行われる千葉の学校については、渋谷教育学園幕張、市川、東邦大東邦といった御三家が昨年から減少傾向ですが、2022年度もこの傾向が続きそうです。
コロナの感染リスクもあり2月の本命入試の直前の1月20日ごろの受験は避けたいという東京近辺の受験者の動きがあると思われます。
ただ、共学化で人気の出た光英VERITASは引き続き受験者を増やし、倍率は高まると思われます。

まとめ & 実践 TIPS

2022年度の入試の志願者数は昨年度より2,000人以上増加すると考えられており、学校によっては厳しい入試状況となると考えたほうがよいでしょう。
難関校は、倍率が高い学校は敬遠されて次の年は倍率が緩和し、倍率が低い学校は人気が回復するという隔年現象が2022年度も起こると考えられます。
中堅校では、男子校人気がやや落ち着きますが、共学校は高い倍率のまま推移しそうです。
1月入試の埼玉は受験者が全体に増える予想ですので、慎重に学校を選ぶ必要があります。逆に千葉は減少傾向が続きそうです。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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