【2021中学入試結果】私立中受験者の動向 コロナ禍での今年の特徴は? 東京/神奈川
2021年2月19日に森上教育研究所が主催する「2021年入試 首都圏中学入試の結果と分析」セミナーがオンラインで行われました。今回は、セミナーの発表と森上教育研究所の調査結果をもとに今年の中学入試全体の特徴についてお伝えします。
全体に高倍率校、難関校を避ける慎重な受験傾向に
2021年入試全体を通して言えるのは、リスクをできるだけ減らすために大変に慎重な受験をされる傾向が強かったということです。倍率の高い学校を避け、少しでも倍率の低い学校を受験する、もしくは難関校を避けて中堅以下の比較的受かりやすい学校を選択するといった傾向が顕著でした。
背景にあるのが、コロナ禍による休校の影響です。例年よりも学力が十分伸びず、志望校の過去問に取り組んでも全く歯が立たないというような状況の中で、合否のボーダーライン上にいるお子さんが、できるだけ易しい入りやすい学校へと流れたと考えられます。
感染リスクを避けるため1月は受験者が減ったものの、受験率はほぼ横ばいに
コロナ禍の影響は、併願校の選び方にも影響を及ぼしました。
1月に実施された千葉や埼玉の入試の受験者は例年より若干の減少という結果でした。これは、2月1日の本番を迎えるまでにできるだけコロナウイルス感染症に罹患しないように、あるいは濃厚接触者にならないように遠方の学校の受験を避け、併願校数を絞り込んだためとみられます。首都圏に非常事態宣言が発令される中、非常に警戒されるご家庭が多かったと考えられます。
こうした感染リスクを避けようとする動きに加え、コロナ禍が経済状況にも影を落としていることから、今年の私立中学の受験率は減少するのではないかと非常に注目されていました。しかし、グラフを見ていただくとわかりますように、2月1日私立中学の受験者数、受験比率は減少することなく、ほぼ横ばいという結果になりました。
ただ、1月入試で千葉や埼玉の受験者が減少したように、今年は東京から神奈川、神奈川から東京、千葉から東京などの県をまたいでの遠方からの受験者が減少していることが指摘されています。これは東日本大震災直後にもあった傾向ですが、今後も継続する可能性があります。
図:2月1日私立中学受験者数の推移、募集定員および受験比率
コロナ禍によって私立中学の魅力があらためて見直される
私立中学の受験率が減少に転じなかったのは、コロナ禍の中であらためて私立の魅力が見直されたことも要因だと考えられます。
一斉休校となった際私立中学では、子どもたちの学びを止めないために4月のタイミングでほとんどの学校がオンラインの授業を開始していました。ICTの活用もこの時期を境に一気に進みました。こうした公立にはない私立のスピード感が多くのかたに評価されと言えるでしょう。
さらに、私立中学では建学の精神や理念を大前提としていることもあり、コロナ禍の中でも独自の教育活動に積極的に取り組む学校が多く見受けられましたので、こうした面倒見のよさ、子どもに寄り添う姿勢も私立中学に魅力を感じるかたを増やす結果となったと思われます。学習塾の入塾状況が盛況である現状を見ると、今後1、2年は私立中学の受験率に変化はないと思われますが、経済状況が悪化する可能性もありますので今後に注目していきたいと思います。
まとめ & 実践 TIPS
2021年入試では、コロナ禍による休校の影響もあり、倍率の高い学校、難関校を避け、リスクをできるだけ減らす慎重な受験傾向や、罹患を避けるために1月実施の千葉や埼玉の併願校数を絞るという動きにもつながりました。
さらにコロナ禍の経済状況への影響により、私立中学の受験率が減少するのではないかと注目されましたが、ほぼ横ばいという結果になりました。ただし県をまたいでの遠方からの受験者は減少傾向にあると指摘されています。
私立中学の受験率が減少に転じなかったのは、コロナ禍の中であらためて私立の魅力が見直されたことでしょう。今後1、2年は受験率に変化はないと思われます。
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