【2021中学入試結果】難関校の傾向や高倍率になった学校は? 東京/神奈川(男子校編)

2021年2月19日に森上教育研究所が主催する「2021年入試 首都圏中学入試の結果と分析」セミナーがオンラインで行われました。セミナーの発表と森上教育研究所の調査結果をもとに今年の中学入試の動向を詳しくお伝えします。今回は男子校の動向です。

リスクを避けるため高倍率の学校は敬遠される傾向に

今年の入試で全体的に顕著であったのは、高倍率の学校を徹底的に避ける動きです。学力を十分に蓄えることが難しかったお子さんにとっては少しのリスクも避けたいということで、倍率の低いほうへ受験者が集まっていく傾向が見られました。とても慎重な学年であったと言えます。

男子校においても偏差値40台の比較的入りやすい学校に受験者が集中し、偏差値50、60以上の学校は受験者を減らしました。難関校については昨年から2割程度受験者が減っています。

ただし、難関校の受験者数が減っても上位層の合格者の学力分布はあまり変わっておらず、ボーダーラインより下のチャレンジ層の受験者が減っているというのが現状のようです。2割弱受験者が減った聖光学院も、合格者の質には影響がなく、東京など距離がある場所からの受験者が減ったということです。こうしたところにも今年の特徴がみてとれます。

では具体的にどのような学校に人気が集まり、どのような学校が受験生を減らしたのか、入試日別に見ていきます。

<2月1日午前>

開成は昨年比で137名減り、麻布も127名受験者を減らすなど、難関校の受験者が減少する中にあって、例外的に受験者を増やしたのが、駒場東邦とサレジオ学院です。
駒場東邦は、倍率が難関校の中では比較的低く昨年は2倍を切っていたことや、昨年春に東大の合格実績が麻布を超えたことから入りやすく出口がよい学校として人気が高まりました。
サレジオ学院も同様に、同程度の中堅校に比べ倍率が低かったことが好まれた要因です。一方、受験者が集中した中位校は高倍率となりました。
巣鴨、高輪は3倍以上、日本大学豊山に至っては昨年比で116名受験者を増やし、倍率は4倍を超えました。

<東京・神奈川 2月1日午前入試 男子校>

学校名 試験名 定員 受験者 合格者 実倍率
2021年度 2020年度 前年差 2021年度 2021年度 2020年度
開成 3年度 300 1,051 1,188 -137 398 2.64 2.99
麻布 3年度 300 844 971 -127 377 2.24 2.54
駒場東邦 3年度 240 623 576 47 285 2.19 1.99
サレジオ学院 A 110 410 348 62 170 2.41 2.02
巣鴨 Ⅰ期 80 325 391 -66 86 3.78 3.83
高輪 A日程 70 341 322 19 110 3.10 2.80
日本大学豊山 第1回 100 482 366 116 114 4.23 3.00

<2月1日午後>

当初、今年の午後入試の受験者は減少するという予測をしていたのですが、上位校の受験者が減ったものの中位以下の学校が受験者を増やし、1日午後全体では受験者を増やす結果となりました。
巣鴨、東京都市大学付属、世田谷学園などの昨年まで人気が高かった学校は倍率がやや落ち着きました。その代わりに多くの受験者を集めたのが獨協です。独自の伝統を持つ男子校であり系列に獨協医大もあることから、午後入試の新設に初回から注目が集まって受験者が集中しました。

<東京・神奈川 2月1日午後入試 男子校>

学校名 試験名 定員 受験者 合格者 実倍率
2021年度 2020年度 前年差 2021年度 2021年度 2020年度
巣鴨 算数 20 597 701 -104 231 2.58 2.98
世田谷学園 算数特選 30 411 504 -93 218 1.89 1.98
東京都市大学付属 第1回Ⅱ類 40 477 559 -82 350 1.36 1.46
東京都市大学付属 第1回Ⅰ類 80 492 527 -35 242 2.03 2.43
獨協 第2回 20 562 233 2.41

<2月2日午前>

2日午前入試も聖光学院が昨年比で101名受験者を減らしたのを筆頭に、上位校の受験者が減少しました。
巣鴨は倍率2.78倍でしたが、本郷、攻玉社、桐朋、城北、世田谷学園、暁星といった進学校が軒並み倍率が1倍台となりました。
ただし、立教池袋、明治大学付属中野といった付属校については倍率3倍台で高止まりしています。
人気を集めた東京都市大学付属は4.16倍と高輪、獨協は3倍台となりました。

<東京・神奈川 2月2日午前入試 男子校>

学校名 試験名 定員 受験者 合格者 実倍率
2021年度 2020年度 前年差 2021年度 2021年度 2020年度
聖光学院 第1回 175 596 697 -101 221 2.70 3.02
本郷 第2回 140 889 976 -87 482 1.84 1.95
攻玉社 一般学級第2回 80 316 349 -33 164 1.93 2.08
桐朋 第2回 60 458 472 -14 247 1.85 1.91
城北 第2回 125 572 647 -75 311 1.84 2.05
巣鴨 Ⅱ期 100 462 521 -59 166 2.78 2.94
世田谷学園 2次 80 413 550 -137 216 1.91 2.33
立教池袋 一般第1回 50 272 343 -71 87 3.13 3.61
暁星 第1回 65 165 191 -26 100 1.65 2.69
東京都市大学付属 第2回Ⅰ類 40 179 162 17 43 4.16 3.52
明治大学付属中野 第1回 160 881 868 13 261 3.38 3.38
高輪 B日程 70 459 392 67 140 3.28 2.72
獨協 第3回 70 327 290 37 100 3.27 2.25

<2月2日午後>

2日午後入試では、高輪と日本大学豊山が人気を集めました。特に日本大学豊山は昨年比で201名受験者を増やし6.61倍の高倍率となっています。

<東京・神奈川 2月2日午後入試 男子校>

学校名 試験名 定員 受験者 合格者 実倍率
2021年度 2020年度 前年差 2021年度 2021年度 2020年度
高輪 算数午後 20 269 262 7 88 3.06 3.12
日本大学豊山 第2回 50 714 513 201 108 6.61 4.66

<2月3日午前>

3日午前入試では海城が受験者を大きく増やしました。
昨年比で236名増やして1157名が受験しました。成城は例年多くの受験者を集めますが、海城の人気の影響もあり昨年比で104名受験者を減らしました。
神奈川の逗子開成も受験者を増やし、4.45倍の高倍率となっています。
学習院は受験者は減りましたが、5.04倍と高止まりを続けています。

<東京・神奈川 2月3日午前入試 男子校>

学校名 試験名 定員 受験者 合格者 実倍率
2021年度 2020年度 前年差 2021年度 2021年度 2020年度
海城 一般② 145 1,157 921 236 294 3.94 3.18
学習院 一般第2回 55 287 308 -21 57 5.04 5.60
逗子開成 2次 50 374 344 30 84 4.45 3.95
成城 第2回 140 686 790 -104 218 3.15 3.42

まとめ & 実践 TIPS

今年の入試では、高倍率の学校を避け、倍率の低いほうへ受験者が集まっていく傾向が顕著であり、とても慎重な学年であったと言えます。
全体に今年は偏差値40台の比較的入りやすい学校に受験者が集中し、偏差値50、60以上の学校は受験者を減らしています。
ただし、難関校の受験者数が減ったからといって、合格者の学力分布はあまり変わっておらず、ボーダーラインより下のチャレンジ層の受験者が減っているのが現状のようです。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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