中学受験したけれど公立中学に行くことに——どう気持ちを切り換える?

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今年の中学入試では、コロナ禍の影響もあり残念ながら志望校に合格することができず、公立中学校への進学を決めたというお子さんも少なくないと考えられます。そうしたお子さんがどのように気持ちを切り換え、次の目標に向けて学習を進めていけばよいか、森上教育研究所がお伝えします。

目標に向け自発的に勉強に取り組む姿勢を身に付けるきっかけに

今年度の入試は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いた影響で学習が進まず、思うように実力を伸ばせなかった受験生が多かったように思います。
難関校の入試体験会においても、例年よりも問題が易しかったにもかかわらず合格最低点、平均点とも低く、トップクラスの受験生であっても例年のように十分学力を伸ばすことができなかったことが明らかになっています。そのため、志望校の目標を下げずにチャレンジした受験生の中には、残念ながら志望校に合格することができなかったかたもいらっしゃるでしょう。

しかし、同じコロナ禍の影響下にあっても大学入学共通テストの結果を見ますと、かなり難しい問題が出題されたにもかかわらず、平均点は下がっていません。
これは高校生と小学生の違い、さらに言えば、目標に向けて受験生としての自覚を持って自発的に勉強に打ち込むことのできる高校生と、まだちょっと幼くて受験生の自覚を持つまでには至らない小学生の違いと言えます。

今回はコロナ禍というやむを得ない環境の変化がありましたが、今後もこうしたことが起きる可能性はゼロというわけではありません。
どんな環境の変化があってもそれに負けることなく学び続けるためには、自分の興味・関心をもとに進路の目標を定め、その目標に向かって自発的に勉強に取り組む姿勢が必要です。ぜひ今回の反省と中学進学をそうした姿勢を身に付けるきっかけとしてほしいと思います。

高校受験を見据え、慢心することなくスタートダッシュを

中学入学後の次の目標となるのは、高校受験です。高校受験の場合は、内申点がかなりの割合を占めますので、普段からの授業や中間や期末の定期テストにしっかり取り組むペースを作ることが基本となります。

難関校をめざす場合は、それに加えて学校よりもスピードの速いカリキュラムの学習を塾で勉強することも必要になります。いずれの場合も、4月から出遅れないようにスタートダッシュが大事になります。

中学受験に向けて勉強してきたお子さんの場合、これまでの応用的な学習によって文章題への対応力、読解力などが身に付けられているため、中学入学時点では他のお子さんより一歩リードした状態だと言えます。

ただし、ここで慢心してしまってはいけません。中学になって始まる数学は算数とはまるで違いますし、新たに英語も加わります。さらに中学生になると、自覚を持って勉強に取り組むお子さんも増えてきます。中学受験の勉強で得た「一歩リード」した状態をキープするため、気持ちをしっかりと切り換えて新たな目標に向けた学びをスタートさせましょう。

まとめ & 実践 TIPS

今年度の入試は、小学生は受験生としての自覚がまだ乏しいこともあり、コロナ禍の影響で実力を伸ばせず志望校に合格できなかったかたも多いでしょう。
今回の反省と中学進学をきっかけとして、目標に向かって自発的に勉強に取り組む姿勢を身に付けましょう。次の目標となる高校受験では内申点がかなりの割合を占めますので、定期テストにしっかり取り組むペースを作ることを基本に4月からのスタートダッシュが大事になります。
中学受験の勉強で得た「一歩リード」した状態をキープするため、決して慢心することなく気持ちをしっかりと切り換えていきましょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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