「妖怪」をテーマにした評論文などが出た大学入学共通テスト【国語】出題傾向と分析 今後の受験に向けた3つの対策

今年度から「大学入試センター試験」(以下、センター試験)に代わり、「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)が実施されました。
国語では、話題になった「妖怪」をテーマにした評論文で、妖怪に対する認識とその歴史性を紐解く内容のものや、友人から贈り物をもらったがゆえに関係が疎遠になってしまったことが描かれている近代小説などが出題されました。
これらの文章に対して、具体的にどのような問題が出されたのでしょうか。今回は出題内容の分析と、その対策をご紹介します。

複数の資料を関連付けて考えさせる新傾向問題が出題!

これまでのセンター試験では、評論文、小説、古文、漢文と4つの分野から出題されていましたが、これは今回の共通テストでも踏襲されました。

設問では、漢字や語句の意味、古語の解釈、漢文の書き下しなどの基本的な知識を問うものや、本文の内容や表現の特徴を問うものが出題され、センター試験と同様に基本的な知識と正確な読解力が求められました。

一方、センター試験ではあまり見られなかった出題として、複数の資料を関連付けて読解することが求められました。

評論文が課された大問1の設問内で、芥川龍之介の小説「歯車」の読解が要求されたように、異なるジャンルの複数の文章を読み取り、関連付けて答えさせるという出題です。
これは評論文だけではなく、小説、古文、漢文のすべての大問も出題されています。

このような問題は、共通テストに先行して行われた試行調査でも出題されていることから、この傾向は今後も続くと考えていいでしょう。

次年度以降に向けて、どのような対策が必要か?

以上のような共通テストの出題傾向から考えられる対策は3点あります。

①漢字や語句などの知識事項をしっかりと押さえる。
共通テストではセンター試験と同様に、漢字や語句の意味など基本的な知識が問われています。
これらの問題は知らなければ解けないものです。そのため、問題文を読むうえでわからない言葉や読めない漢字が出てきたら調べて確認することを、普段の学習から行うとよいでしょう。知識の問題は文章読解のあまり得意ではない受験生でも得点につなげることができます。
このような問題で確実に得点するために、普段の学習から対策を積み重ねておきたいです。

②読解の苦手ジャンルを無くしておく。
これまでのセンター試験と同じように、評論文などの論理的文章、小説などの文学的文章、古文、漢文のそれぞれの分野の文章を確実に読解することが前提となります。

これまでに実施された試行調査や今回の共通テストの出題傾向から、今後も様々な時代やテーマ、形式の文章が扱われることが予想されます。どのような文章が出題されても確実に内容を理解できるように、普段の学習からさまざまな文章に触れることを意識しましょう。

③複数の資料を扱う問題で求められる思考法・考え方に慣れておく。
共通テストで出題された複数資料の問題には、読み手にそれぞれの文章を使って多面的・多角的に考えさせたいという、出題意図が隠されています。

そのため、それぞれの文章をやみくもに読むのではなく、関係性(主張と根拠の関係、異なる立場、別の観点から述べている論旨、など)を捉えながら読解していくことが大切です。
そのような関係性を意識して、複数資料を扱った類題に取り組んだり、一見関連がないと思われる複数の文章の関係性を自分なりに考えてみたりするなどして、共通テストで求められる思考法・考え方に慣れておくようにしましょう。

  • ・漢字や語句の意味などの知識事項を押さえる。
  • ・さまざまな文章に触れ、読解できるようにする。
  • ・複数資料の文章の関係性を捉えながら読解できるように心がける。

まとめ & 実践 TIPS

今回が初めての共通テストでしたが、これまでのセンター試験の出題傾向と比べて、要求される学力が根本的に変わってしまったということはないように見えます。ただし、文章の出題のされ方や新傾向の設問形式など、共通テスト独自の傾向も垣間見ることができました。このような出題形式は次年度以降も踏襲されると考えられますので、普段の学習からしっかりと対策を立て、問題への対応力を身につけていきましょう。

株式会社プランディット 国語課 宮城(みやぎ)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの国語の教材編集を担当。

プロフィール

株式会社プランディット

1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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