【Q&A】大学入学共通テスト、「教育改革」はどう現れた?

大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」が実施されました。共通テストは、大学入試改革にとどまらず、高校教育・大学教育と一体になった「高大接続改革」の一環として導入されたものです。そんな改革の一端は、実際の出題からも読み取れるのでしょうか。

この記事のポイント

Q.そもそも大学入学共通テスト導入の狙いは?

A. 共通テストが、思考力・判断力・表現力を重視して出題されていることは、ニュースなどでもご存じかもしれません。
大学入試改革では、各大学が (1)知識・技能 (2)思考力・判断力・表現力 (3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度……の「学力の3要素」すべてを評価して、入学者を選抜することが求められています。
そのため、多くの受験生を対象とした大規模共通試験でも、知識を活用しながら思考力や判断力を発揮して解くような問題が必要だ、という判断から、センター試験を衣替えして、共通テストを導入することになりました。

Q.大学入学共通テストの出題の特徴をどう捉える?

A. 実際に出題された共通テストの問題は、分量が多いだけでなく、さまざまな資料を読み込んだ上で、考えて解くような問題が多く出されました。
ただし、これには出題形式の工夫にとどまらない意義があります。

大学入試センターが公表している問題作成方針では、「授業において生徒が学習する場面や、社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面、資料やデータ等を 基に考察する場面など、学習の過程を意識した問題の場面設定を重視する」と明記されていました。

つまり、普段の授業でも、出題のように、知識をもとにして思考力・判断力・表現力を育んでほしい、という「授業改善のメッセージ」(問題作成方針)が込められているのです。

Q.大学入学共通テストの今後はどうなる? 対策は?

A. 共通テストでは、平均正答率を5割程度にすることを目指して作問されました。思考力・判断力・表現力を重視して出題すると、6割を目指していたセンター試験よりも、難しくならざるを得ないと想定していたためです。しかし実際には、センター試験の時と同程度か、科目によっては上回るものもありました。

一方で、公民と理科の4科目で、他の選択科目と平均点に20点以上の差が出たとして、得点調整が行われることになりました。得点調整が行われるのは、2015年のセンター試験以来6年ぶりで、センター試験の前身である共通一次(1979~89年)を含めても、約40年間の中で4回目です。
そのため大学入試センターでも引き続き、出題の工夫を重ねることでしょう。初の実施となった今回とは違った傾向の問題が出題される可能性も、大いにあります。

まとめ & 実践 TIPS

新しいテストというと、どうしても出題傾向に合わせた対策を取りたくなるものです。しかし共通テストは、高校での授業改善を意識して出題しようとしています。アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び、AL)をはじめとした高校の授業に真面目に取り組むことが、実は究極の「受験対策」なのかもしれません。

大学入学共通テスト 2021年度試験(大学入試センター ホームページ)
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r3.html

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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