大学入学共通テスト分析速報【数学】 特徴的な問題の傾向と求められた力、今後の対策法

2021年度からいわゆる「センター試験」が「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)へと名称を変更しました。試験の内容も今までとは異なり、これから受験を控えるご家庭にとっては不安を感じることも多いでしょう。今回は、数学の共通テストの特徴をご紹介します。ご家庭で確認いただき、対策を進めていきましょう。

この記事のポイント

日常の課題を数学的に解決していく問いが出題

数学の共通テストの最も特徴的なことの1つは、日常の課題をテーマにして、それを数学的に解決していく問いが出題されたことです。数学Ⅰ・数学Aでは100m走で最もよいタイムを出すための「ストライド」と「ピッチ」についての考察が扱われました。事前に陸上競技の特別な知識が必要なわけではなく、文章の中から必要な情報を読み取って、解答をする力が求められました。また、試験時間に対して文章量も多く、素早く情報を読み取ることが必要でした。

今後も、このような日常の課題を用いた問題は数学Ⅰ・数学Aでは必出、数学Ⅱ・数学Bにおいても出題を努めるという発信もありますので、それに向けた準備をしていきましょう。
文章量の多い、かなり特殊な形式になることが予想されるため、模擬試験や共通テスト対策の教材を使用して、同様の形式の問題で対策をすることが有効です。

登場人物が会話をしながら議論を進めていく形式の問いが出題

先ほどの日常の課題に関する出題と対をなす特徴として、登場人物の会話を読んで問題を解いていく形式があります。

例えば数学Ⅰ・数学Aの第3問では、(1)で外見では区別のつかない2種類の箱から1つを選び、その箱の中のカードを引いた結果から、箱がどの種類であったかを推測する問題が出題されました。その結果を(2)で振り返り、(3)において、3種類の箱で考えるための思考の流れを会話の中で議論しています。

このように、会話の中で、前問の結果を振り返ったり、次の問題の方針について話し合ったりしているので、どちらにしてもその後の問いを解くために必要な部分となります。会話から今からどんなことをしようとしているのかを理解できないと、スムーズに解き進めることが難しいかもしれません。そのため、会話文の読み取りも重要なテーマとなります。

こちらも日常の課題についての問いの対策と同様、似た形式の問いで演習をすることが大切です。

問題を一般化していく力が求められる

特に数学Ⅱ・数学Bの問題で特徴的だったのは、問題をどんどん一般化していく形式の問いが出題されたことです。
例えば第2問では、(1)で2つの2次関数のグラフがある同じ点を通り、そこで同じ接線をもつという共通点を考え、その後、その2次関数の係数を文字にして同様に考えるという流れで出題されました。そしてこれを踏まえ、(2)では、3つの3次関数のグラフという、個数も次数も増加したものについて共通点を考え、同様に係数を文字にした場合を考えています。
他にも第5問では、(1)で正五角形について考察し、(2)でその正五角形からなる正十二面体について考える問題が出題されていたりします。

このように、前半で考えたことを、少し難しくして再び考える、という形式のものがセンター試験と比較して多く出題されました。
これは数学という学問の目標の一つである、得られた結果や定理・公式をより一般的に、より抽象的にしていくということを意識した出題ともいえます。

この対策としては、問題集などで一度解いた問題に対し、数字を少し変えてみたり、文字にしてみたりして条件の一部を変化させてもう一度解いてみることが有効です。さらに、条件を変える前との共通点・相違点を考えられるようになると、ぐっとその効果は上昇します。このことは数学の根本的な力を伸ばし、共通テストのみならず、大学の個別試験の対策にもなるという意味で、非常におすすめの学習法です。

基本的な計算力、定理・公式を扱う力も問われる

ここまでを見てみると、共通テストとセンター試験はまったく別物のように感じるかもしれません。しかし、今までセンター試験で問われていたような、基本的な計算力を問う問題や、定理・公式を丁寧に扱うことができるかを問う問題も出題されています。そのため、こういった点の練習もおろそかにしてはなりません。さらに言えば、こういった力があるからこそ、日常の課題を解決できたり、会話文の意味を読み取れたりすることにつながりますので、引き続き定理・公式の理解と計算演習は欠かさないようにしましょう。

数学の共通テストの特徴まとめ

数学の共通テストの特徴をまとめると、以下の4つが代表的なものといえます。

  • ①日常の課題を解決する問いが出題
  • ②登場人物が会話をしながら議論を進めていく形式の問いが出題
  • ③問題を一般化する力が求められる
  • ④基本的な計算力、定理・公式を扱う力も問われる

これらのうち、特に①~③は今までのセンター試験の過去問を演習するだけではなかなか対策をしにくいところかもしれません。まずは④の基礎力を身につけ、その後①~③の共通テストの“形式”に対する対策をしていくことが大切です。

まとめ & 実践 TIPS

初年度の結果を受け、次年度以降どうなるかわからない、まだまだ不確定な要素の多い共通テストですが、対策は十分にできます。
何より他の受験生にとっても同じ条件ですので、ぜひ上記の対策をして、一歩リードしてみてください!

株式会社プランディット 編集事業部 数学課 相澤
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、数学の教材編集を担当。

プロフィール

株式会社プランディット

1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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