大学入学共通テスト分析速報【理科】 センター試験とどう違った? 今後の出題傾向や対策は?

先日、初めての「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト) が実施されました。今回は「理科」について、どのような問題が出されたのか、従来の「大学入試センター試験」(以下、センター試験)からどのように変わったのかなどの「共通テスト」の分析と来年度以降の共通テストに向けた対策をお伝えしていきます。

この記事のポイント

全体の傾向:資料を読み取り、考察させる出題が増加

理科全科目共通の傾向としては、従来のセンター試験と比べて、知識だけを問うのではなく、資料から読み取った情報や知識をもとに考察させる問題が増加しました。また、普段見慣れない図・グラフや問題文から必要な情報を読み取って整理する力や複数の資料を比較して考察する力も問われました。では科目ごとにご紹介していきます。

【物理・物理基礎】の分析

【物理基礎】実験結果の違いを考察させる問題が出題

台車の加速度を記録テープとスマートフォンで測定したときの違いを考察させる問題が出されました。また、資料やグラフから必要な情報を読み取って科学的に思考させる出題もあり、物理の基本法則を理解し、問題に適用させる力が要求されました。

【物理】身近な物理現象を考察させる問題が出題

ダイヤモンドや蛍光灯などの身近な素材をテーマに、問題文やグラフから必要な情報を読み取り、物理現象を考察させる問題が出されました。また、文章で答えさせる問題が多くなり、物理現象を定性的にとらえる必要がありました。

【化学・化学基礎】の分析

【化学基礎】初見の実験が扱われ、読解力や考察力を問う問題

第1問は、従来のセンター試験と同様の小問集合形式で、化学基礎の範囲から幅広く出題されました。第2問は、化学で学習する「陽イオン交換樹脂」を用いた実験について出題されました。問題文を正確に読み解いて、実験操作や実験結果を考察する力が求められました。

【化学】見慣れない実験、図表の読み取りに関する問題が増加

鉄の錯イオンに関わる実験など、見慣れない実験や反応をテーマにした問題や、図表から必要な情報を読み取って判断するような、読解力や思考力を要する問題が数多く出題されました。グラフの形を組み合わせて完成させるような目新しい形式の問題もありましたが、従来のセンター試験と同様の小問集合形式の問題もあり、幅広い理解が問われる内容でした。

【生物・生物基礎】の分析

【生物基礎】知識を活用して、図・グラフを判断する力を問う問題

宿題プリントや授業用プリントなどを用いた出題や、分野融合問題などの目新しい出題がありました。また、知識そのものを問う問題が大幅に減り、知識を活用して解釈する必要がある問題が多く出されました。設問文の量は増加し、速やかに情報を整理する力が求められました。

【生物】複数の資料を合理的に分析する思考力を問う問題

従来のセンター試験では大問ごとに分野を分けた出題でしたが、共通テストでは分野融合問題が多く出題されました。また、実験の考察や、図表などの資料の読解を求める問題が多くみられ、限られた時間で、複数の情報を整理し、合理的に判断する力が問われました。

【地学・地学基礎】の分析

【地学基礎】課題の解決までの過程を問う問題

初見の図の読み取りは従来のセンター試験でもありましたが、共通テストではより複数の図の読み取りが必要とされる問題が増えました。また、岩石標本の特定や、仮説を検証するための実験の組み立てのような、探究活動を意識した問題もありました。その一方で、教科書レベルの基礎知識で解けるような問題もありました。

【地学】図の読み取りや計算を要する問題が多く出題

第1問は、「水」をテーマにして地球、大気・海洋、宇宙などについて問う問題で、幅広い知識が必要とされました。また、その他の問題では、地上天気図と高層天気図の比較や、HR図の解釈など、多数の図の読み取りが必要でした。計算問題も多く、手間がかかる印象でしたが、紛らわしい選択肢は、昨年のセンター試験からは減っています。

次年度以降に向けて、どのような対策が必要か?

共通テストの対策には思考力の強化が必要ですが、いきなり思考力を高めることはできません。まずは、教科書の内容を正しく理解して、知識を身につけることが必要です。ただ単に知識を覚えるのではなく、なぜそうなるのかを考えたり、実際の現象や実験、図・グラフと関連させて理解したりすることが重要です。そのような理解をもとに、問題演習を通して、必要な情報の読み取りや情報の整理の手法を身につけていきましょう。

  • ・まずは教科書の内容を正しく理解する
  • ・現象や実験などと関連させて理解する

まとめ & 実践 TIPS

問題の傾向が変わると、勉強方法を変えたほうがいいのではないかと感じることでしょう。しかし、思考力は正しい知識の理解があったうえで身につくものです。焦らずに、まずは教科書を中心とした理解を深めていきましょう。

株式会社プランディット 編集事業部 理科課
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの理科の教材編集を担当。

プロフィール

株式会社プランディット

1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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