2021年度入試の時事問題 押さえておきたい出題傾向と対策は?時事問題 徹底解説 (1)【中学受験】

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中学入試では、社会科や理科において時事問題が出題されます。この時事問題とはどのような問題なのか、「私立中高一貫校進学フェア オンライン」で配信されている文教大学の早川明夫先生の時事問題特別セミナーの内容からご紹介します。

時事問題では身近な題材からの出題も増加傾向

まず、実際の入試問題でどのような時事問題が出題されているのかを確認してみましょう。

時事問題Q1

1989年に日本で消費税が最初に導入されたときの税率は何%でしたか。
(2020年度入試 横浜共立学園中学校 社会より)

消費税は現在10%ですが、最初の導入時は3%でした。それが5%に上がり、安倍首相になって8%になり、2019年に10%まで上がりました。こういった数字の推移も大事ですが、なぜ消費税が上がったのかという理由なども押さえておくことが求められます。

時事問題Q2

「猛暑日」とはどんな日のことをいいますか。
(2014年度入試 明治大学付属明治中学校 理科・改題)
A:30度以上 B:35度以上 C:40度以上

これもご存じのかたが多いと思いますが、答えは「B:35度以上」です。ちなみに、「A:30度以上」は「真夏日」、「C:40度以上」は特別な言い方はありませんが、今後は「超猛暑日」のような言い方がされるようになるかもしれません。

時事問題Q3

多機能トイレの多くは男女共用トイレとして男性トイレと女性トイレとは別に設置されています。多機能トイレを必要としている人の中には男女別ではなく男女共用トイレを希望する人も多いようです。多機能トイレを必要としている人が男女共用トイレを希望する理由を考えて、文章で説明しなさい。
(2020年度入試 國學院大學久我山中学校 社会より)

Q3は文章で答える記述問題なので、Q1、Q2より少し難しくなります。これは「異性の介助者も一緒に入って利用できるから」という答えになります。たとえば、車椅子に乗っているかたが女性、その車椅子を動かしているかたが男性というような場合でも多機能トイレを利用することができるわけです。あるいはLGBTの人たちが利用しやすいという理由も考えられます。

時事問題というと、身構えるかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、ここで紹介した3つの問題のように、最近の社会科や理科の時事問題はこうした身近なことを題材にした出題が多くなっています。

普段の生活の中で抱いた疑問を調べることが対策の出発点

では、こうした問題に対応する力を付けていくにはどうすればよいのでしょうか。先日、ある中学校の理科の先生は「身近に起こっている現象に興味関心を持ち、考えてみようとする力があるか、またそれを表やグラフとして表現する力があるか、表やグラフから読み取れることを説明することができるか」が時事問題で問われるとおっしゃっていました。つまり、時事問題にきちんと答えられる力を付けていくには、皆さんの普段の生活の中で、「おかしいな?」「なぜだろう?」と疑問を感じたことについて自分で調べてみる習慣をつけることが出発点となります。

まとめ & 実践 TIPS

実際の入試問題では、身近な題材からも時事問題が出題されます。これは、「身近な現象への興味関心や考えてみようとする力、資料を読み取り、それを文章に表現する力」を問おうとするものです。こうした問題の対策には、普段の生活の中で抱いた疑問を自分で調べる習慣をつけることが出発点となります。

プロフィール


早川明夫

社会科入試問題研究の第一人者。大学付属中高の教頭を経て、文教大学で社会科の教員養成にあたった。現在、文教大学地域連携センター講師。主な著書に『応用自在』『考える社会科地図』『総合資料日本史』『地図っておもしろい!』(監修・執筆)ほか多数。『ジュニアエラ』の総監修者。

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