2020年度入試で学力を伸ばした中高一貫校は?(GMARCH編)【中学受験】

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志望校を決める際、学校自体の偏差値と大学合格実績も大事ですが、入学後にどれだけ学力を伸ばすことができるかというのも、重要な視点です。そこで今回は、GMARCHで合格実績を出している学校の中で、どの学校が2020年度入試で学力を伸ばしたかについて森上教育研究所がお伝えします。

2020年度入試で学力を伸ばした学校とは?

「学力を伸ばした学校」とは、中学校入学時の偏差値と高校卒業時の偏差値を比較して、その差がプラス方向に大きい学校のことです。以下の表は、各中学校のGMARCHの合格実績をもとに算出した、6年間で伸びた学力が大きい学校をまとめたものになります。表の見方は以下のとおりです。

(1)中学校入学時の学力(2014年度四谷大塚模試の結果偏差値を入学時の学力として使用)
(2)高校卒業時の学力(対象大学群の合格実績をもとに、入学時と同じ単位の偏差値に変換して高校卒業時の偏差値を算出)
(3)6年間で伸びた学力(学力の伸びは、高校卒業時の学力から中学校入学時の学力を引いて計算。(1)と(2)の差が学力の伸び=(2)-(1))
※結果偏差値:入試で80%の人が合格した偏差値

具体例を挙げて説明すると、以下の表の一番上、明法は、(1)中学校入学時の学力が38.0で、(2)高校卒業時の学力が48.3です。48.3から38.0を引いた差が10.3となっています。これは、偏差値が10.3ポイント上の学校と同じ実績を出したことになり、偏差値10.3ポイント分、学力が伸びたということになります。今回は5ポイント以上学力を伸ばした学校をご紹介します。

共学校を中心に、入りやすい中堅校が健闘

<対象実績:GMARCH(学習院大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)>
学校名 学校種別 ①中学入学時の学力 ③ ②の合格数に相当する偏差値 ④学力の伸び=偏差値の差(③-①)
明法 男子校 38.0 48.3 10.3
足立学園 男子校 38.0 46.2 8.2
聖学院 男子校 37.0 46.1 9.1
佼成学園 男子校 37.0 43.9 6.9
日本大学豊山 男子校 36.0 47.2 11.2
神奈川学園 女子校 42.0 48.8 6.8
聖セシリア女子 女子校 40.0 48.0 8.0
十文字 女子校 39.0 46.2 7.2
桐朋女子 女子校 39.0 44.3 5.3
大宮開成 共学校 47.5 59.2 11.7
宝仙学園共学部理数インター 共学校 45.5 57.6 12.1
青稜 共学校 45.5 56.9 11.4
東京電機大学 共学校 44.5 51.0 6.5
工学院大学附属 共学校 43.5 50.0 6.5
多摩大学附属聖ヶ丘 共学校 41.5 49.4 7.9
東京成徳大学 共学校 40.5 48.3 7.8
日出学園 共学校 40.5 45.7 5.2
東海大学付属浦安 共学校 38.0 48.7 10.7
昌平 共学校 38.0 46.5 8.5
西武台新座 共学校 37.0 43.6 6.6
東洋大学京北 共学校 35.0 51.3 16.3
(対象校/首都圏全域/男子校・女子校・共学校/偏差値50未満)
※出典/森上教育研究所

GMARCHは、難関国立大や早慶上智に比べれば入りやすいため、偏差値が中位の共学校が最も強みを発揮しています。大宮開成・宝仙学園共学部理数インター・青稜は、10ポイント以上学力を伸ばしていますが、今非常に人気が出ている学校です。特に16.3ポイントと、最も学力を伸ばしている東洋大学京北は、人気が高まった結果倍率が非常に高くなっています。学力を伸ばしていることに加え、都心の立地、きれいな校舎、大学のネームバリューなどが人気を呼んでいると思われます。それほど偏差値は高くありませんが、倍率的には厳しいので、手堅く点を取れるかがポイントとなるでしょう。

多摩地域では、東京電機大学と工学院大学附属が手堅く学力を伸ばしています。この多摩地域の2校に加えて、多摩大学附属聖ヶ丘・東京成徳大学・日出学園・東海大学付属浦安・昌平・西武台新座は比較的入りやすい学校ですが、とても学力を伸ばしています。その点では、偏差値的にいまひとつ伸び悩んでいるお子さんにとっては、入学後にしっかり学力を鍛えてくれるとても魅力的な学校群といえます。

一方男子校で名前が挙がったのは、いずれも中堅校の明法・足立学園・聖学院・佼成学園・日本大学豊山です。これらも男子校としては入りやすく、GMARCHの大学群にしっかりと入学させてくれる学校といえます。女子校の十文字と桐朋女子も同様です。神奈川学園と聖セシリア女子は、これまであまり名前が挙がっていませんでしたが、近年非常に力を伸ばしており、人気が出てきていますので、この2校は要注目です。

なお、このデータでは付属校の場合、系列大に進学した生徒は除いて集計していますので、他大学を受けた生徒たちがどの程度がんばっているかを示したデータとして見てください。また、ここでデータを出すために使用している中学校入学時の学力は6年前のもので、現在の偏差値とは異なっている場合もあることも念頭に置いたうえで、志望校候補を比較する際の材料にしていただければと思います。

まとめ & 実践 TIPS

GMARCHで合格実績を出している学校では、偏差値が中位の共学校が最も強みを発揮しました。特に学力を伸ばした共学校は人気も高まっていますが、その他は入りやすく学力を鍛えてくれる学校として、偏差値的にいまひとつ伸び悩んでいるお子さんには魅力的と言えます。男子校・女子校は中堅校が中心ですが、最近力を伸ばしている学校は、人気が出てきています。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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