塾でのコロナ感染が心配…新4年生の入塾、遅らせてもよい?【中学受験】

中学受験を考えているものの、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し4年生から入塾させるべきか迷っている保護者のかたもいらっしゃるかもしれません。もし入塾しないと判断した場合、家庭学習で注意すべきこととはどのようなことなのでしょうか。
中学受験情報局「かしこい塾の使い方」で主任相談員を務める、教育家・小川大介先生に、家庭でできる学習の基盤づくりと教科ごとの具体的な注意点について聞きました。

この記事のポイント

家庭にいながら塾でのペースや学習内容を把握する

新型コロナウイルス感染症の影響を考え、塾に通わせるか否かを悩んでいる新小学4年生の保護者のかたも少なくないでしょう。大手の塾は、4・ 5・ 6年の 3年間の体系立ったカリキュラムを構築していますから、入塾させなくてよいものか悩むのも無理はありません。

結論からお伝えしますと、5年生から通うことにしたとしても、中学受験において致命傷にはなりません。
ただし、「勉強をしなくてよい」というわけではなく、家庭で学習を行っていくという視点を忘れてはいけません。塾での学びは、小学校の勉強の量や難易度、スピードとはまったく違います。そのため、ご家庭では「塾ではこれくらい勉強している」とお子さんと一緒に塾の状況を理解していく必要があるのです。

具体的な方法としては、実際の塾のテキストを見て量や内容を把握し、取り組んでみることが有効です。四谷大塚のテキストは塾のWebサイトで販売されているので、入手がしやすいです。『予習シリーズ』を中心に取り組んでいくとよいでしょう。

また、塾では1コマあたりだいたい60分から90分程度で組まれ、途中休憩は入るにしても、1日トータルで3時間程度授業を受けることになります。時間の分配は生活リズムに合わせて構いませんが、塾でのペースに慣れさせるために、ご家庭で同程度の学習時間を確保しましょう。

塾の教室に通わせることに懸念があるのならば、オンライン授業サービスを利用するのも一つの方法です。最近では、四谷大塚や浜学園などがオンライン授業を充実させています。毎週、塾の教室で授業を受けている子と同様の学習内容に触れつつ、健康管理が家庭で行えるという利点があります。

オンライン授業の場合には、塾の時間割に縛られずに取り組めるので、夜遅くまで勉強をして生活リズムを崩すということを防げます。実は私の子どもも5年生の夏まで塾のオンライン授業を受講していました。お子さんが自分で勉強に取り組めるタイプであれば、お子さんの性格や、体力などを鑑みて、オンライン授業サービスも検討してみましょう。

【算数】考え方を理解したうえで計算力をつける

塾に行かない場合、教科の学習をどう家庭で進めていけばよいかお伝えしましょう。

4年生の前半部分から塾で学習すると、カリキュラム上は算数の四則演算について一通り理解することができるようになっています。学校の学習ペースで進めると、分数の掛け算や割り算を使いこなすには5年生ぐらいまでかかります。このずれを放置したまま5年生から入塾すると大変なことになりますから、4年生の間にこの四則演算を使いこなし、工夫して計算できるようになることを目指して家庭での学習を重ねる必要があります。

4年生は塾に通わせずご家庭ですごすと決めた場合には、特に算数の小数・分数の取り扱いについて十分に理解を深められるよう計画的に取り組みましょう。四谷大塚の予習シリーズを使ったり、塾のホームページでカリキュラムを確認したりして、なにをいつ頃までに学習していくとよいのかを前もって把握しておくことが大切です。学習する際も、問題集で計算問題だけに取り組むのではなく、小数や分数の考え方を理解したうえで、計算練習を積むことが重要です。そのためには参考書などを使い、きちんと解説を理解し基盤を築くことを心がけてください。

【理科】5年生の学びにつながる素地づくりを意識する

算数に続き、理科も注意が必要です。4年生の理科では、身の回りの生物や気候、季節の変化などを関連づけるような内容を学習します。
春になると気温が上がり昆虫や動物たちが動き出すことや、菜の花の受粉とモンシロチョウの関係性、そして、菜の花というアブラナ科の植物にはアオムシがつくこと……など、身の回りに起こる自然科学をつなぎ合わせていくような学びを行うのです。

大人から見ると、簡単な学習に見えますが、こうした学びが5年生以降の理科の種まきになっています。

さらに、4年生の乾電池と豆電球で電気の流れを実験する電気回路の学習が、5年生の電流計とスイッチを使った学習や直列回路・並列回路の学びにつながっていきます。

つまり、4年生の理科への理解が不十分な場合、基礎となる土台や全体のつながりがよくわからない状態となり5年生以降に支障をきたす危険性があります。4年生は、高学年の理科学習の土壌づくりとなっているのです。
家庭学習では、理科のテキストを一緒に読み、「こういう仕組みになっているんだね」「これは図鑑に載っていたね」など知識をつなぎ合わせる学習に重きをおきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

新型コロナウイルス感染症蔓延への配慮から塾に通わせるか迷う場合には、実際の塾のテキストで学習ペースをつかんだりオンライン授業を受けたりすることで有効な家庭学習を行っていきましょう。
さらに、算数の四則演算や理科の生物や電気などは、高学年での学びの土台となります。教科ごとの学習上の留意点を踏まえ、家庭学習を実現できるとよいでしょう。

プロフィール

小川大介(おがわ だいすけ)

小川大介(おがわ だいすけ)

教育家
見守る子育て研究所 所長
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。
学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、コーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。現在は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。
受験学習はもとより、幼児期からの子供の能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書多数。You Tubeチャンネル「見守る子育て研究所」も今夏より開設。

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