高校入試の出題範囲が減少! 過去問演習など受験対策への影響は?【高校受験】

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感染症による学校休校等に伴い、2021年春・高校入試における変更内容が、すでに多くの都道府県の教育委員会等より発表されています。中でも「出題範囲の除外」による影響については、進研ゼミの個別相談ダイヤルにも、よく問い合わせをもらいます。そこで、出題範囲の除外の影響について、過去問演習のポイントを含めて、お伝えします。

この記事のポイント

具体的な除外範囲とは?

公立高校入試における「出題範囲の除外」については、東京都がいち早く、6月中旬に発表しました。例として、その東京都の具体的な内容を下表に載せましたが、中3で学習する内容に対して配慮されています。

都道府県によって、除外する範囲は異なりますので、まずは受験される都道府県について、早めに教育委員会のWebサイトを確認しておきましょう。
*進研ゼミ高校入試情報サイトの「2021年度高校入試対策特集」でも、全国の最新情報をまとめています。
また入試には頻出で、合否の差がつきやすい「三平方の定理」や「関係代名詞」などが除外される場合、「勉強しなくていいから助かった!」と考える受験生もいるかもしれませんね。ところが、それは大きな間違いです。

入試の除外範囲でも、しっかり学習すべき3つの理由とは?

まず誤解してはいけないのは、教育委員会発表の除外範囲は、あくまで「公立高校入試には出しませんよ」と言っているだけということです。中学校の「学習指導要領」には定められている内容ですから「中学校でやらなくていい」ということではありません。高校での授業も、習得を前提に進められますので、高校入学後に苦労することになります。
2つ目の理由は、授業で学習した内容は、「定期テストの出題範囲」になる可能性が十分にあるということです。定期テストの結果は内申点にも影響します。
そして3つ目の理由。私立高校の入試においては、各校により出題範囲が異なる可能性もあるということです。とくに他県の私立高校を受験する場合は要注意です。志望校のWebサイトや学校説明会等で、出題範囲はしっかり確認しておきましょう。

入試の除外範囲でも学習すべき3つの理由

  • ・学習指導要領では定められている
  • ・定期テストでは出題される可能性がある
  • ・私立高校入試では出題される可能性がある

公立高校入試の過去問演習はどうする?

一部の出題範囲が除外されたことで、公立高校入試の過去問演習のしかたについても、よく質問を受けます。
基本的には、私立高校入試も見据えて、全ての問題をしっかり演習したほうがよいでしょう。とくに英語と国語においては、素材文や選択肢から、関係代名詞や中3で習う漢字だけを外して問題を解くなんてことは難しいですよね。
数学・理科・社会については、志望する私立高校も含めて、明らかに除外範囲の問題だと判断できる場合は、優先順位を下げても構いません。ただし、これらの教科は、複数の学習内容が複雑に関連しています。除外範囲かどうかを迷うようであれば、学習効率を考えて、全ての問題を演習しておくことをお勧めします。

公立高校入試の過去問演習のポイント

  • ・英・国は、全ての問題に取り組む
  • ・数・理・社は、併願校も含めて範囲外が明らかならば後回しでもよい

まとめ & 実践 TIPS

教育委員会発表の「各教科の出題範囲の除外内容」は、あくまで公立高校入試に限ったことなので、中学校の授業や過去問演習では、しっかり学習しておいたほうがよいことは、ご理解いただけたでしょうか? 
2021年春の公立高校入試では、出題範囲の変更以外にも、内申点の扱いや、合否判定のしかたを変更する都道府県もあります。まずは受験される都道府県の教育委員会のWebサイト等で確認してみましょう。
また、入試問題が難易度別に実施される、東京・神奈川・埼玉・大阪においては、受験対策が異なってきます。難関校の受験対策については、教育情報サイト内の「難関公立高校合格をめざす受験生を全力応援!」ページで、難関校受験に役立つ情報をまとめていますので、ご活用ください。


出典:進研ゼミ高校入試情報サイト「2021年度高校入試対策特集

プロフィール


浅野剛

元大手進学塾高校入試担当部長、入試情報統括を歴任。30年以上にわたって受験指導を行い、多数の生徒を志望校に合格させてきた高校受験のエキスパート。現在は、中学生・保護者向けオンラインセミナーの講演をはじめ、中学校での進路講演なども担当。

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