多様化する中学入試、選択のポイント【中学受験】

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中学入試は、国語・算数・理科・社会の4教科での受験が主流ですが、最近は、算数や英語の1科入試を採用する学校も増えており、多様化が進んでいます。こうした中で、どのような点に注意してお子さんの受験する入試形式を選べばよいのか、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

1科入試は飛び抜けて得意な科目で受けられる場合に選択を

近年私立中学入試は、午後入試で算数のみの1科入試や、国語・算数・英語から1科選択入試、さらに国語・算数・理科・社会の4教科から2科選択入試、算数・理科の2科入試など、さまざまな形式が選択できるようになっています。基本は、お子さんの得意科目を生かせる入試形式を選ぶことですが、保護者のかたはいろいろ悩まれるかもしれません。

たとえば、1科入試はその科目が得意なお子さんが受けることになりますが、どの程度得意であれば受けるべきか迷うかたも多いでしょう。1科入試というのは、飛び抜けてその教科が得意な人を取るための入試です。したがって「その科目が非常に得意で満点近く取れるけれども、他の科目は5割取れない」といったお子さんが対象となります。

英語1科入試であれば、小学生時点で英検2級や準1級を取るようなお子さんなら問題なく受かりますが、英検4級や5級を取っていて「ちょっと得意」というレベルでは太刀打ちできません。こうした、「どのようなお子さんが受ける入試形式か」を見極めて、お子さんが有利となる入試形式を選ぶことが大事です。

基本となるのは4教科入試、少なくとも算国はしっかり対策を

多くのお子さんにとって最も力を発揮しやすいのは、やはり4教科入試です。実際に8割くらいの受験生は4教科で受験しています。合格への一番の近道は、4教科で満遍なく6割取れるようにすることです。飛び抜けて得意な教科があるというわけではないお子さんの場合、苦手な教科が一つあると、それが足を引っ張る形になり不合格となってしまう場合が多いのです。

まずは、苦手な教科をなくしバランスよく点を取れることを目指しましょう。どうしても4教科満遍なく合格点を取ることが難しいという場合は、算数と国語はしっかりと合格点が取れるようにしておくと、入試の選択肢が広がります。

お子さんの不調に備えて、同じ試験日に二重に出願する手も

また、どうしても行きたい学校がある場合に、すべての日程で同じ学校を受験するという話もお聞きします。実際に複数日程の入試の中で最もよい点で評価するという学校もありますし、複数回受験することで「第1志望である」として優遇してくれる学校もありますから、そうした受験方法も作戦としてよいと思います。

ただ、6年生のお子さんはものすごく不安定で、入試の本番で調子が悪く力が発揮できないということもよくあります。その結果、3回受験するうちの1回目も2回目も不合格になってしまった場合は、「調子が悪い」と判断して別の学校が受けられるように、あらかじめ二重に出願しておくことをおすすめします。学校には申し訳ないのですが、保護者が一番に守らなくてはいけないのはお子さんですから、お子さんにとって最も有利な選択ができるよう、しっかりと作戦を練りましょう。

まとめ & 実践 TIPS

入試形式の多様化が進んでおり、飛び抜けて得意な教科があるお子さんは1科入試などが選べるようになっています。その他のお子さんにとって基本となるのは4教科入試であり、バランスよく6割取れること、少なくとも算数・国語は合格点を取ることを目指すことが大事です。また、複数回受験も作戦の一つですが、お子さんの不調に備えて最終日は別の学校に二重に出願をしておくとよいでしょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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