新4年生の入塾試験対策 いつから?対策は必要? 子どもに合う塾選びのポイントも【中学受験】

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新4年生(3年生の2月)から中学受験に向けて通塾をスタートするため、入塾試験の対策を考えられている親御さんもいらっしゃるかと思います。お子さんに合った塾を探すコツを、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

塾選びの基本ポイント3つ

塾を探す際にまず検討したいのが「子どもが安全に通い続けることができる場所にあるか」です。

【1】無理なく安全に通えるかチェック

まず塾選びでは、家から無理なく通える距離にあるか、通塾のルートに危険な場所はないかといった点を検討します。

ある程度通いたい塾を絞り込んだあとは、保護者が実際に足を運んで、塾のある建物の構造は安全かも確認しましょう。

また、今の子どもは汚いトイレは苦手ですから、トイレの場所とともにトイレがきれいかどうかも見ておくとよいでしょう。

塾を探す際にまず確認すべきポイント

  • ・子どもが安全に通い続けることができる場所にあるか
  • ・塾のある建物の構造は安全か

【2】授業内容・時間数・費用をチェック

次に、塾のホームページなどで授業の内容や、時間数、費用をチェックしましょう。

初めての塾通いになるお子さんが多いでしょうから、気軽に通い始めることができ、無理なく続けられるよう、授業時間数はあまり多くない塾を選ぶのがポイントです。

加えて、あまりに高額な費用がかかる塾では、「きちんと学習させなくては」とプレッシャーがかかります。保護者にとっても気軽に始められるよう、費用がそれほど高くない塾を選ぶとよいでしょう。

ただし、最初から難関中学校を目指すという高い目標を持っているご家庭の場合は、志望校の合格実績がある塾を最優先しましょう。

気軽に通え、無理なく続けられるポイント

  • ・授業時間数はあまり多くない
  • ・費用がそれほど高くない
  • ・志望校の合格実績

【3】仲の良い友達と通えるかチェック

もう一つ観点に加えていただきたいのが、仲の良い友達と一緒に通えるかという点です。子どもにとっても、友達と一緒の塾であれば楽しく通えますし、励みにもなります。

さらに、中学受験では保護者が情報収集をしたり子どもを励ましたり、と子どもと二人三脚でがんばる必要があります。そうしたときに、情報交換や相談、励まし合ったりする相手がいるというのは、保護者にとってもとても心強いものです。

可能であれば、友達の親御さんにも声をかけて一緒に塾選びをするとよいでしょう。

塾の学習量、雰囲気をつかむ方法

基本ポイントに加えて、塾での授業内容や学習量、レベルなどもチェックすると、よりお子さんに合った塾選びができます。

【1】季節講習で授業内容・宿題の量・テキストをチェック

保護者が情報収集を行ってもなかなか見えてきにくいのは、授業の内容や一日の学習量です。

宿題の量はどれくらいなのか、レベルはどのくらいなのか、お子さんはついていけそうなのかといったことは、実際に使用するテキストを見せてもらって話を聞かなければわかりません。

しかし、事前にテキストを見せてくれない場合も多いもの。そういう場合は、お金はかかりますが、まず夏期講習や冬期講習を受講してみるのも一つの方法です。

【2】二つの塾で迷うなら季節講習を活用

もし二つの塾で迷っている場合は、両方の講習に参加してみるのも手です。

その際は、たとえば夏期講習であれば、1学期の復習のための夏期講習、2学期の予習のための夏期講習、と役割を分けるとよいでしょう。

そうして講習に参加すれば、学習内容を把握できるだけではなく、お子さんによっては「こっちの塾がいい」とフィーリングが合う塾を自分で挙げられる場合もあります。

入塾試験対策はしなくとも大丈夫、「出会った塾がよい塾」という気持ちで

塾によっては入塾試験を行うところもあります。ただ、必ずしも特別な入塾試験対策が必要というわけではありません。

【1】入塾後のクラス分けテストも視野に

「入塾試験でよい成績を取ってできるだけ上のクラスにお子さんを通わせたい」

そのために、事前に入塾試験対策の勉強をさせたり、複数回入塾試験を受けさせてよい成績がとれたタイミングで入塾させたりするというお話をお聞きします。

しかし、これは私はあまり意味がないと考えています。

確かに、入塾試験の成績によって上位から下位のクラスに分けられますから、できるだけ上のクラスにという気持ちは理解できます。

クラス分けは、入塾後にも定期的に実施されるクラス分けテストによっても行われます。あまり最初のクラス分けに保護者がこだわりすぎると、お子さんへのプレッシャーにもつながってしまうでしょう。

【2】入塾試験の種類にこだわりすぎなくて大丈夫

入塾試験を受けるにあたり、純粋に入塾希望者のためだけに行われる試験を受ける場合と、その塾の生徒さんと一緒に受ける場合とで、入塾試験の難易度に差があることを気にされる保護者のかたもいらっしゃいます。

しかし、どちらを受けたかということはそれほど重要ではありません。入塾の可否に差が出たり、クラス分けに影響が出たりということはあまりないからです。

【3】入塾試験は「良い結果」でなくてもOK

塾によっては成績の結果によって入塾できないということもありますので、これは避けたいと思われるかたがいらっしゃるかもしれません。

ただ、入塾できるかどうかは、その塾に入ることを希望している人数がどれほどいるかによって決まります。要は、満員であれば入れない場合もあるというだけのことです。

運悪く第一希望の塾が満員で、入塾がかなわなかったとしても、あまり気にせず2番目の候補として考えていた塾に通わせるという判断で、全く構いません。

「出会った塾がよい塾」というくらいの気持ちで受け止めることをおすすめします。

転塾は学習単元を一通り終える5年生の終わりに

新4年生からのスタートであれば、それほど塾の勉強の内容によって差がつくということはありません。入った塾でちゃんと勉強を続けることができれば大丈夫です。

勉強していてわからないところが出てきたり、物足りなさを感じたりし始めるのは、大体5年生の中盤。その場合は、学習単元を一通り終える5年生の終わりで、お子さんのレベルに合った塾への転塾を考えてもよいでしょう。

6年生からは総合演習が中心になりますから、転塾によるデメリットはそれほどありません。

まとめ & 実践 TIPS

中学受験に向けて通塾をスタートすることが多い新4年生。入塾試験は3年生の秋頃から始まります。ぜひとも通わせたい塾がある、上位クラスで入塾したいという目標がある場合は、安心のために入塾試験の対策をされても構いません。ただ、基本的には入塾試験に向けた特別な対策をする必要はないでしょう。

大切なのは、お子さんが安心して通い続けられること。今回お伝えしたポイントや季節講習などを活用して、お子さんに合った塾を選んであげてください。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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