中学受験に備えて、取り組んでおきたい夏休み学習のポイント【中学受験】

中学受験を目指す小学生にとって、夏休みはまとまった学習時間がとれる大事な時期です。今年は1学期の休校の影響で短い夏休みとなる地域も多いため、限られた時間でどのような学習に取り組めばよいのか、森上教育研究所がお伝えします。

夏休みの学習時間の半分は1学期の復習にあてる

小学4年生から6年生に共通して言えることですが、夏休みの学習時間の半分程度は、1学期の復習に取り組んでおくことが大事です。ただし、6年生の受験前に一通り全分野のおさらいをしますので、全部復習する必要はありません。基礎を押さえることを目標に、お子さんがテストで点数が取れなかった問題、基礎がいまひとつ理解できておらず代表的な例題がうまく解けていない問題に絞って復習しておくとよいでしょう。

テキストの中の取り組んでいない練習問題に取り組んでもよいですし、復習用の問題集を1冊買っておくのもよいと思います。また、お子さんの基礎の理解が不十分な分野を保護者が把握しておくためには、普段からお子さんが問題に取り組んだノートに付箋やマーカーで印をつけておく方法をおすすめすます。お子さんが間違った部分に印をつけておいて、復習したあとにもう一度その問題に取り組んでみます。そこできちんと解ければ印をはずしますが、まだ解けなかった場合は、そのまま印をつけておいてさらに1週間後に確認します。こういった形で間を置いて何度も取り組むと、より効果的です。

夏休みにこそ、作業を伴う学習に挑戦

復習以外で夏休みに取り組んでおきたいのは、普段なかなか取り組めないような時間がかかる学習です。特に理科や社会に多い「作業を伴う問題」は、ぜひ夏休みに取り組んでおきましょう。たとえば、社会であれば地理の分野の等高線を引いたり、地図に書き込んだりといった作業が必要な問題、理科であれば実験のグラフを作成するような問題が、それにあたります。

普段は忙しいため、効率的に学習を進めることを優先して時間がかかる学習は後回しにしてしまいがちですが、余裕のあるときにしっかり時間をとって手を動かして学習に取り組めると、お子さんも楽しく学ぶことができます。教材については、こうした作業ができそうな書き込み式の問題集を書店などで保護者が探しておくとよいでしょう。

5年生は可能であれば2学期の予習を

2学期の予習については、4年生や6年生はそれほどやっておかなくても大丈夫です。ただし、5年生に関してはどこの塾でも2学期に学習する量がかなり多くなっています。もし5年生の保護者のかたで少し自信がある場合は、2学期の学習の1週目、2週目あたりの入り口部分だけでも、お子さんに教えておいていただけると、お子さんは2学期からの学習のスタートがスムーズに切れます。

今年は例年に比べると忙しい夏休みになりますが、それでも学校がある時期に比べるとしっかりと時間を取ることができます。ぜひこの時間を有効に使ってください。

(著者:森上教育研究所)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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