塾の授業が本格的に再開されるまでの間、家庭で塾を活用し、課題に取り組むコツ -学びを止めないために-【中学受験】

全国の緊急事態宣言が解除され、各地で学校が再開しつつあります。しかし、中学受験塾については当面これまでのような熱い対面授業を実施するのは難しい状況です。
そうした中で、保護者がお子さんの家庭学習を支えていく際に、塾をどのように活用していけばよいのか、森上教育研究所がお伝えします。

塾からの課題をベースとしつつ、基礎基本問題に重点的に取り組む

現在、大手の塾の多くはオンラインや、動画配信などの形で授業を行うようになっていますし、小規模な塾では授業を再開するところも出てきています。このように何らかの形で授業が行われていれば、塾では「予習」「復習」「宿題」といった形で「その日に学習してほしいこと」が課題として示されます。こうした学習のスケジューリング機能が、塾の大きなメリットの一つです。
まずは塾の課題に指示通りに取り組むことが、この時期であっても家庭学習の基本と考えましょう。

課題の量が多すぎたり、難しすぎたりする場合は「すんなりと解ける問題」から

ただし、塾の課題はお子さんにとって量が多すぎる、難しすぎる場合も少なくありません。したがって、まずは基礎基本の問題に着実に取り組み、理解を深めることを目標とするとよいでしょう。基礎基本をクリアすることができたら、次は少し難しい問題に挑戦し、できる問題を増やしていくことが大切です。

問題のレベル分けが課題に示されていない場合は、お子さんに1、2問解かせてみてください。「比較的すんなりと解ける問題」「時間がかかる問題」がわかると思いますので、「すんなりと解ける問題」から順に取り組むとお子さんも達成感が感じられて、やる気につながります。

通常の塾の時間を目安に学習時間を決める

塾の課題に取り組む際は「できるまで延々とやらせる」のではなく、先に取り組む時間を決めておくことも重要です。たとえば、塾で通常は2時間授業を受けているのであれば2時間を塾の学習に取り組む時間として設定し、塾の授業の時間内で問題に取り組むようにします。そうして、お子さんが問題に取り組む様子を見て、「すんなりと解ける問題」にたとえば7割の時間を割き、残りの3割の時間を「時間がかかる少し難しい問題」に充てるといった配分ができると、「できない問題に長時間とられて学習が進まない」といった事態を防げます。

もっと勉強させたいときは、時間にメリハリをつけ、保護者もそばで一緒に取り組む

学校がまだ通常の授業を再開していない場合、「せっかく時間があるのだからもっとたくさん勉強させたい」とお考えになるご家庭もあるかと思います。
その場合、保護者がそばで一緒に勉強を見て、50分取り組んだら休憩を取るといった形でメリハリをつけることが可能であれば、さらに勉強の時間をとってもよいでしょう。ただし、ここぞとばかりに難しい問題に挑戦させると、時間ばかりかかって達成感が得られず、お子さんの不満がつのるということにもなりかねません。
勉強時間を追加する場合も、教科書とあまり離れない範囲の復習問題にとどめ、「よくできたね!」とお子さんをたくさんほめて、良好な関係で学習を続けることを目指してほしいと思います。

保護者が忙しい場合でも、できるだけ帰宅後の1時間はお子さんのために使ってほしい

また、お仕事で保護者が不在の時間が多く、お子さんにある程度塾の勉強をまかせなければならないご家庭もあるでしょう。
その場合は、オンライン授業の録画や録音が可能であれば帰宅後にお子さんと一緒に見て、「この解説はわかった?」と聞いておくとお子さんがどこまで理解できたか確認できます。
忙しい親御さんだと大変ですが、受験期の子どもの保護者の務めだと思って、帰宅後の1時間程度をぜひお子さんのために使ってあげてください。

(著者:森上教育研究所)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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