2020年私立中学 受験者動向分析【中学受験】

2020年2月19日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷私学会館で森上教育研究所が主催する「2020年入試 首都圏中学入試の結果と分析」セミナーが行われました。
今回は、セミナーの内容から、今年の中学入試の動向を速報します。次年度以降中学受験を考えているお子さんを持つ保護者のかたはぜひ参考にしてみてください。

2020年私立中学校受験者数はリーマンショック前のピーク時に迫る勢いに

まず、2020年の首都圏私立中学校の受験者動向分析です。
今年の私立中学校の受験率は、各学校の主たる入試をもとに算出すると14.3%となり、リーマンショック前のピーク時の14.8%にほぼ迫る勢いでした。

以下の資料は私立中学校の所在地別に見た受験者数の動向分析です。黒い帯が敷いてあるのが、100%を超えた学校です。地区別で見ていくと、多摩地区がほぼ横ばいとなっている以外は増加傾向、特に埼玉・千葉・東京23区の北東部の増加が顕著でした。

付属校・進学校・半付属校の別で見ると、付属校人気が落ち着いた代わりに、半付属校が前年比110.7%になり、人気が顕著でした。

また、学校ランク別に見ると、全体が増加した年の共通した傾向として、偏差値が中間層の学校がアップしますが、今年もその特徴が現れました。

昨年以上に午後入試が存在感を増す結果に

次に、SAPIX広報企画部の広野雅明さんから、男子校を中心に一部の共学校の入試結果と分析がありました。
「SAPIX内部の今年の出願状況として、一人あたり何校くらい出願予定であったのか見ていくと、前年度7.83校に対して今年は8.04校。昨今は、インターネット出願が大多数を占めるので、入試日程が早い学校にすでに合格したため、実際には出願をしなかった児童も含まれますが、若干増加する結果となりました。

主な理由は2月1日の午後入試を受験する児童が増えたことにあるでしょう。2年ほど前までは午後入試を受けるのは女子が多い傾向にありましたが、この2年間は男子も女子も受験率にほとんど差がなく、これは、世田谷学園や巣鴨などの魅力的な男子校、あるいは広尾学園や三田国際学園などの共学の人気校を受験する人が増えたというのが要因です。

次に、実際に受験した学校の数を見ると、前年度5.61に対して今年は5.64で微増。試験日全体で見ると、2月2日、3日の数が減っているため、なるべく2月1日の午前午後で決着をつけて、それ以降は受験をしなくなる短期決戦型の入試というのはまだまだ続いているのがわかります」

続いて、早稲田アカデミーの中学受験部の蛭田洋介さんから、女子校を中心とした入試結果と分析がありました。
「早稲田アカデミー全体では、出願校数は2015年の6.41から2020年は7.31校に、受験校数は2015年の4.74から2020年は5.65に増加しました。

インターネット出願が主流となり、受験する学校をギリギリまで検討できるため、本来であれば出願校数は減少してもおかしくありません。にもかかわらず増加傾向が見られるのは、午後入試の増加にあります。早稲田アカデミーの塾生だと、2月1日の午後受験をしている生徒がおよそ53%、2月2日の午後に受験している生徒が40%に上ります。中学入試のトレンドとして完全に定着したと言えます。」(蛭田さん)

最後に、司会を務める森上教育研究所アソシエイトの高橋真実さんが、「冒頭で申し上げた14.3%という受験率は、大学入試改革が迷走する中では、まだまだ伸びる可能性があるのではないかと考えられます。また、私立の中高一貫6年間の教育の価値が広く認識されるようになれば、中学受験を志望するご家庭はまだまだ増えるでしょう」と締めくくりました。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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