学習の指標となる『思考コード』分類から見る中学受験問題の傾向<女子校・共学校編>

2018年度の入試の際、首都圏模試はそれぞれの中学校に対し、出題傾向について知識・理解思考などの基礎力を問う問題と論理的思考の応用力を問う問題、そして創造的思考を問う問題をどのような配点で出題したかアンケートを行いました。いわゆる『思考コード』と名付けられた分類です。

森上教育研究所では、その『思考コード』分類を利用して以下の分析をしました。入試対策に役立てる一つの指標として、参考にしてみてください。今回は、女子校と共学校の傾向をご紹介します。

偏差値が高い学校ほど、応用力を問う問題が出題される

2018年度の入試をもとに、首都圏模試では、一つひとつの問題を解く際に必要な力を『思考コード』として分類しました。これにより、従来、偏差値では評価しにくかった思考力・表現力・想像力のそれぞれの領域で、それぞれの学校の入試で必要とされる領域が何なのかを大量観察できるようになったため、中学受験をするお子さまが、今後どのような学習に力を入れたらよいかを知ることができるようになりました。

『思考コード』は、考える力(A・B・C)と、読み取る力(1・2・3。※1が単純、3が複雑)の二軸をかけ合わせて測ります。考える力の振り分けは以下の通りです。
A=知識・理解思考(基礎力)
B=論理的思考(応用力)
C=創造的思考

今回は、算数で出題されたA、B問題の女子校のグラフを見ていきたいと思います。

偏差値の高さと基礎力を問うA問題は負の相関がみられ、応用力を問うB問題は正の相関がみられることは男子校と同じですが、男子校との違いは、どの偏差値の場所にもまんべんなく学校があるということです。偏差値の高い学校ほど応用問題を出題している傾向が明らかです。

ここでは引用しませんが、共学校グラフも女子校と同じような相関を示しています。これは、女子校から共学校になった学校が多くあるため、入試問題も女子校時代のものを引き継いでいるからという理由です。いずれにしても、このように相関が大きいということは、算数によって選抜が行われているという意味でもあります。

設問設定が困難で偏差値と相関の小さい国語の問題、対策はどうする?

男子校・女子校・共学校ともに、算数の出題傾向と偏差値は相関が大きくなりますが、国語のA、Bの出題傾向と偏差値はグラフにすると傾きが少なく、ほとんど平坦な形になります。
これはどういうことかというと、漢字の書き取りや語彙(ごい)を問うような問題以外では、易しい問題と難しい問題の設問設定がしづらく、偏差値が低めの学校でも応用力を問うような問題を出している場合があり、配点にばらつきがありすぎるために、相関を成していない状態であるということです。

これは、もともとの資質に頼ることの大きい国語の学習の難しさという側面もあります。「国語があまり得意ではない」という受験生は、目指す学校の基礎と応用の配点と合格点を精査し、それぞれどの程度得点できればよいのかを塾の先生とともに調べておく必要があります。国語にアドバンテージをもっている受験生に対して、大きな凹みにならないよう、学習に取り組んでほしいと思います。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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