2019年学力を伸ばした学校(難関国立大・早慶上理編)【中学受験】

受験生やその保護者のかたは、志望校を決めるときに偏差値と大学合格実績を重要視しているというかたが多いかと思います。加えて、入学後にどれだけ学力を伸ばすことができるかというのも、学校選びの重要なポイントです。
そこで今回は、森上教育研究所が2019年に学力を伸ばした学校についてお伝えします。

2019年に本当に学力を伸ばした学校とは?

「学力を伸ばした学校」は、中学入学時の偏差値と高校卒業時の偏差値を比較します。以下の表は、難関国立大・早慶上理の合格実績を学校ごとにまとめたものになります。
表の見方は以下のとおりです。
①中学入学時の学力(2013年四谷大塚模試の結果偏差値を入り口の学力として使用)
②高校卒業時の学力(大学合格実績を出口の学力として使用し、入り口と同じ単位の偏差値に変換)
③6年間で伸びた学力(学力の伸びは、出口の学力から入り口の学力を引いて計算。①と②の差が学力の伸び=②-①)

具体例を挙げて説明すると、以下の表の一番上、麻布中学は、①中学入学時の学力が65.0で、②高校卒業時の学力が71.2です。71.2から65.0を引いた差が6.2となるので、偏差値6.2ポイント分、学力が伸びたということになります。どういうことかというと、6.2ポイント上の学校と同じ実績を出したことになるというわけです。
今回は、5ポイント以上学力を伸ばした学校をご紹介します。

<対象実績/難関国立大(旧7帝大+東工大・一橋大>

(対象校:首都圏/男子校・女子校・共学校/偏差値50以上)

※出典/森上教育研究所

難関国立大で5ポイント以上伸ばした学校は男子校が占め、共学校も中堅校が4校並びました。これはやはり国立志向が強い男子校の強みがよく出た結果といえますが、一方で、入口の中学受験時の偏差値がしばらく入りやすい傾向が続いているという事情もあるようです。入口の入りやすさはというのは、倍率が2倍台そこそこで、かつてほど倍率が高くない入試状況である場合が多いものの、出口実績は主要な国立大に強みを見せているわけです。

また共学校の4校は栄東が頭一つ抜け出した感がありますが、帝京大、桐蔭学園、創価というまさに中堅実力校がそろってエントリーしており、栄東をのぞいて3~4倍と倍率が高く、厳しい入試になっています。
また、学校名が出てこないのは女子校です。女子有力校で主要難関大学実績が素晴らしい学校は限られており、どちらかというと医学部実績に流れているきらいもあります。

<対象実績/早慶上理>

(対象校:首都圏/男子校・女子校・共学校/偏差値45以上65未満)

※出典/森上教育研究所

早慶上理の実績は、共学校が存在感増す

本来、この実績で強みを出してきたのは、女子上位校でした。というのも、表を見ていただく通り、この実績での学力を伸ばした学校では共学校が8校と多くなる一方、男子校4校、女子校2校と、女子校は最も少ない校数となっています。
代わりに共学校が存在感を増しており、難関国立大実績校とダブりも見られますが、新しいところでは東京都市大等々力、中央大学附属横浜、大宮開成、青稜、桐光学園となっており、共学校の勢力の強い、埼玉、神奈川、東京、神奈川隣接地域=郊外に学校がある私学です。これは難関国立大の実績を出している共学校についても同様で、東京の学校も郊外の学校になります。

一方、頌栄と東京女子学院の女子校2校は、帰国子女比率が高かったり、国際クラスを設けていたりと英語の強みがある学校です。
男子4校のうち、成城がニューフェイスで健闘しています。これら男子校の多くは当時(6年前)よりさらに入りやすい難度になっており、こうした実績が今後どうなるか注目されます。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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