どこまで解答できますか? 中学受験で出題される時事問題

2019年5月26日、東京国際フォーラムで「ベネッセ進学フェア2019」が開催されました。私立中高一貫校約180校が一堂に集まり、各学校の先生方に直接質問できるほか、学校選びについて専門家に相談できるコーナーの設置や講演会の開催もあり、中学受験を考えている保護者のかたや子どもたちで賑わいました。
同フェアで開催された、早川明夫先生の時事問題特別授業の内容をお届けします。

今回は、事前にアンケートを行いました。その中で多かった質問が下記の6つです。
Q1 時事問題はいつごろまでの出来事が出題されるのか
Q2 どのような時事問題が多く出されるのか
Q3 時事問題はどのような対策が必要か
Q4 対策としてどのようなものを使ったらよいか
Q5 子どもに時事問題に対し興味・関心を持たせるためには、どのような工夫が必要か
Q6 来年度の入試でねらわれる時事問題は?
今回は、この中から、Q3、Q6について取り上げます。

教科書にリンクしやすい社会問題、理科・社会を横断した問題が頻出

よく出題される時事問題対策の特徴として、実際の社会問題で、社会科の学習内容や教科書に出てくる出来事にリンクしているものや、リンクしやすい出来事というのが挙げられます。
多くの中学校は、小学校の教科書を用意しており、教科書から問題を出している学校も数多くあります。説明会で教科書をもとに出題しているという説明をされている学校もあります。
また、近年は、社会と理科に共通する学習内容の問題が増えているのも特徴です。たとえば自然災害です。地震、津波、台風など理科でも社会でも取り上げるような教科の枠を超えた横断的な学習からの問題が多くなってきています。

2020年におさえておきたい時事問題とは?

では、2020年の入試では、どのような時事問題が出題されるのでしょうか。2019年6月現在で予想されるトピックスをご紹介します。

【2020年おさえておきたい時事問題<国内編>】
1.天皇の退位、新天皇の誕生、改元
2.夏に参議院議員選挙
3.消費税が10%に
4.沖縄の基地移転問題
5.お札の「顔」一新へ(2024年から)
6、2019年度予算の成立、過去最大の100兆円台
7.新地図記号「自然災害伝承碑」
8.アイヌ民族支援法が成立
9.百舌鳥・古市古墳群
10.食品ロス問題

【2020年おさえておきたい時事問題<世界編>】
1.第2回米朝首脳会談
2.トランプ政権の政治
3.イギリスのEU離脱問題
4.フランス、パリのノートルダム寺院が大火災
5.ニュージーランドで銃乱射、死者50人
6.スリランカで連続爆弾テロ事件

【2020年おさえておきたい時事問題<周年問題>】
入試の年・前年から見て節目の年に起こった出来事について出題する「周年問題」も、時事問題の一種です。2019年を基準にどんな問題が予想されるか、トピックスを以下の通り挙げました。(◎は最重要事項)

590年前(1429年) 琉球王国が成立する
◎470年前(1549年) ザビエルが鹿児島に上陸し、キリスト教を伝える
380年前(1639年) ポルトガル船の来航が禁止される
350年前(1669年)シャクシャインの戦いが起こる
230年前(1789年)フランス革命起こる 人権宣言を発表
150年前(1869年)版籍奉還が行われる
◎130年前(1889年)大日本帝国憲法が発布される
110年前(1909年)伊藤博文が安重根に射殺される 生糸輸出量が世界1位に
◎100年前(1919年)朝鮮で三・一独立運動、中国で五四運動が起こる ベルサイユ条約が調印される
90年前(1929年)世界恐慌が起こる 生糸価格が暴落 昭和恐慌
80年前(1939年)第2次世界大戦が始まる
70年前(1949年)湯川秀樹ノーベル賞を受賞 中華人民共和国が成立
50年前(1969年)アポロ11号が人類初の月面着陸に成功
◎30年前(1989年)平成スタート 消費税3%導入 ベルリンの壁崩壊 マルタ会談で冷戦の終結を宣言 子どもの権利条約、国連で採択
20年前(1999年)ヨーロッパの単一通貨のユーロが誕生
10年前(2009年)裁判員制度が開始

夏休みの計画は少なめに、確実にできることを

これから夏休みを迎えるにあたって、計画の立て方についても触れたいと思います。大切なのは、「計画は少なめに、確実にできるように組む」ということです。あれもこれもと盛りだくさんに計画すると、できなかったときの失望感が大きくなりがちです。それよりは確実にできることを目標にするほうが、達成感を味わえます。
勉強の内容としては、小学校の5~6年生の教科書にしっかり目を通してください。その際は、本文だけでなく写真や図版の説明もよく読んでおくこと。教科書を軽視することなく、学校の授業もしっかり聞いて勉学に励んでもらいたいと思います。

プロフィール


早川明夫

社会科入試問題研究の第一人者。大学付属中高の教頭を経て、文教大学で社会科の教員養成にあたった。現在、文教大学地域連携センター講師。主な著書に『応用自在』『考える社会科地図』『総合資料日本史』『地図っておもしろい!』(監修・執筆)ほか多数。『ジュニアエラ』の総監修者。

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