次世代のプロフェッショナルを育成する“専門職大学”【変わる大学】

AI(artificial intelligence/人口知能)やIoT(Internet of Things)、高齢化社会、医療・福祉など、社会情勢や課題がめまぐるしく変化する昨今、経済や産業を支える人材に求められる能力も大きく変化し、新たなモノやサービスをつくり出せる人材の育成が求められています。このような中、新しい大学制度として、大学レベルの知識と実践的な職業能力の両方を身に付けた人材を育成する “専門職大学”が、2019年4月設立されます。

社会の即戦力となるプロフェッショナルを育成する“専門職大学”。

“専門職大学”では、卒業単位の約3分の1におよぶ約600時間が企業等でのインターンシップ(長期実習)に充てられるなど、社会の即戦力となるための実践的な科目が多数用意されます。従来の大学が教養と学問を中心に教えるのに対して、“専門職大学”では決まった専門分野の職業に就くために必要な知識、技能、問題解決能力などを理論的に学びます。
また、卒業時には従来の大学と同等の「学士(専門職)」の学位が授与されます。次代を支えるプロフェッショナル人材の育成を担う大学として、“専門職大学”はいま、社会や企業から大きな注目を集めています。

下記、2020年設置認可申請中の2校を紹介します。

※大学名、学部学科名は文部科学省への設置認可申請中のため仮称、掲載内容は予定となります。

全員が在学中に起業にチャレンジする「i専門職大学(仮称)」

「i専門職大学(仮称/設置認可申請中)」は、「ICTイノベーション学部(仮称)」を設置予定。この学部では、産業界とともに学生を育成し、より良い社会を作る人材輩出をめざしています。教育の特色としては主に以下の3つを大切にしています。①これからの時代に欠かせないICTスキル(システム開発、プログラミング、ネットワークセキュリティ)を徹底的に修得し、高度な専門性を養う。②問題発見・解決能力を養成する一環として、学生全員が在学中に起業に挑戦。自由な発想で起業・事業運営を行い仲間とともに課題を解決するプロセスを実際に経験。③最先端のICT企業での640時間のインターンシップを実施。ビジネスやイノベーションの現場を経ることで、身に付けたスキルや知識を実社会で活かす能力を育成します。地元自治体をはじめ、数多くのICT企業等との協力や連携によって、これからの日本、そして世界のあらゆる分野でイノベートする人材を育成します。

▼詳細はこちらから
https://www.i-u.ac.jp

ダイバーシティ社会の実現を支える「東京専門職大学(仮称)」

平均寿命の延伸に伴い「健康寿命」を伸ばすことが重要となり、専門知識はもちろん、関連する分野を融合した事業やサービスを展開できる能力を持つ人材が求められています。「東京専門職大学(仮称/設置認可申請中)」では、医療福祉学部に2学科を設置予定。規定の隣地実務実習時間(600時間以上)を上回る実習を全ての学科で実施します。リハビリテーション学科では990時間〜1,170時間と、既存の養成校を大幅に上回る実習時間数を確保し、高度な実践力を養います。専門職大学ならではの「展開科目」では、専門分野の周辺領域(=隣接他分野)として、美容ケア・災害行政・学校支援・支援システム工学(ロボット・ICT)・ユニバーサルツーリズムなどを学び、新たな価値を創造できる応用力や創造力を育みます。また、現場の実務リーダーに必要な「経営系科目」を多数配置。経営戦略・人材マネジメント・財務会計・事業計画策定など、マネジメント層としての活躍に不可欠な経営的知識を「実務家教員」から学びます。これらの豊富な臨床実習、隣接他分野と経営の学びを通じて、医療福祉業界における「将来の幹部候補生」を育成します。

▼詳細はこちらから
https://www.tpu.ac.jp

ベネッセコーポレーションが実施したアンケート調査で、“専門職大学”に関する期待と課題が明らかに。

2018年6月と11月、ベネッセが高校教員を対象に「専門職大学創設に関するアンケート調査」を実施。回答では、「専門職大学が設立される事を知っている」と答えた割合が75.2%→79%、「専門職大学と大学・専門学校との違いが説明できない」と答えた割合が68.9%→69.1%となり、教育現場での更なる認知度向上が課題である事が分かりました。

■高校教員の約79%と「専門職大学」について認知向上しているものの、既存の高等教育機関との違いを説明できる割合は約30%。

■専門職大学に求めることとして「資格取得支援の充実」「高い就職率」に次いで、「現在の社会ニーズに対応した人材育成」が3番目に多い。

■専門職大学の創設で懸念することのトップは「学位の社会的評価(大学との違い)」。次に「企業ニーズが不明」「既存の大学や専門学校との違いが分からない」が多い。

※Q1~Q5(Q3省略):2018年6月と2018年11月「専門職大学創設に関するアンケート調査」 ベネッセコーポレーション

アンケート調査の自由回答では、専門職大学への多くの期待と課題が浮き彫りになりました。課題としては、教育現場での認知がまだまだ不足していることから、長期インターンシップや学位取得など、新しい大学制度としての認知向上が必要である一方、教育現場からの期待の声も集まっていました。「将来の目標が定まっている生徒には職業に直結することが有効」、「進学先が多様化されることの一助になり得る」、「地域社会の活性化に繋がるリーダーが育成される」、「従来の大学の制度にはない面白さや可能性がある」、「スペシャリストとしての即戦力の育成になる」などの回答がありました。期待の声から分かるように、専門的に深く学び、実習に多くの時間を割くことを通じて育成される専門職大学出身のスペシャリストは、社会に求められる人材としてこれからの社会課題の解決を担っていくことでしょう。

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