出願直前Q&A 合格可能性が上がらない場合、第一志望校は変更すべき?[高校受験]

受験校を最終決定しなければならない時期が近づいてきました。
第一志望校、併願校についてまだ悩んでいるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、この時期によく受ける相談にお答えする形で、受験校を選ぶときの注意点についてお話しします。

内申点を概算し、入試本番で何点以上必要か割り出して判断を

毎年、出願の時期が近づくと「模擬試験で、第一志望の公立高校の合格可能性が上がらない。
難易度の低い公立校に志望を変更したほうがよいだろうか」といった相談をよく受けます。

基本的には、ご本人に「絶対に行きたい!」という気持ちがあるなら、第一志望校は変えないほうがよいと思います。特に秋まで部活に熱中していたなど、まだ勉強に本腰が入っていないお子さまの場合、12月から入試直前にかけて急に伸びるケースがあるからです。

ただし、公立高校は、そのほとんどが学力検査(入試の点数)と内申点によって合否が決まりますので、お住まいの都道府県や志望校の合否判定の方法に基づいて、入試本番で何点以上取る必要があるか、ざっと計算してみてください。

内申点についてはこちらも参考にしてください。
http://benesse.jp/juken/201710/20171019-1.html

内申点が足りず、入試で満点に近い点数を取れなければ難しいといった場合は、志望校を変更したほうがよいでしょう。
ただし、単に「難易度を下げた」という感覚では、ご本人のモチベーションも下がってしまいます。公立高校は再編が進み、アクティブ・ラーニング、グローバル教育、ICT教育、部活動など、偏差値だけでは計れない、様々な切り口で特徴を出そうとしています。
また、都道府県によっては、学校ごとに学力検査と内申点の比率が異なる場合もあります。内申点が取れていない場合は、内申点の比率が低めの学校を選んだほうが有利です。
お子さまが「行ける学校」ではなく「行きたい学校」を、保護者のかたも協力して選べるとよいですね。

併願優遇などの制度を利用し、「行きたい!」と思える併願校を選んでおく

現時点で、第一志望校の合格可能性が十分でない場合こそ、併願校選びが重要になってきます。
合格可能性が高いだけでなく、学びたい分野のカリキュラムが充実している、好きな部活があるなど、お子さまが積極的に「行きたい!」と思える併願校を見つける必要があります。
併願校の候補には、お子さまと一緒に必ず一度は足を運びましょう。また、入試説明会や個別相談会にはできるだけ参加してください。

多くの私立校は、内申点がその学校の推薦基準に達していれば「第一志望の公立校に不合格だった場合は、必ず入学する」などの条件で、入試で優遇してくれる「併願優遇」などの制度を採用しています。推薦基準も、英検や漢検などの外部検定、部活や生徒会活動などの実績によって加点される場合もあります。優遇の条件は学校によって異なりますので、個別相談会などで、先生と直接相談したほうがよいでしょう。

ここなら行きたい! と思える併願校が決まっていれば、第一志望校にもある程度安心してチャレンジできると思います。情報収集や学校との交渉、手続き面などでフォローしつつ、併願校の最終決定はお子さまに任せましょう。「自分で選んだ第一志望校、併願校だから、そこに向けて努力する」。そんな決心が固まると、子どもたちの表情は一気におとなびてきます。

プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ

  • がんばっているのに成績が伸びない
  • 反抗期の子どもの接し方に悩んでいる
  • 自発的に勉強をやってくれない

このようなお悩みを持つ保護者のかたは多いのではないでしょうか?

\そんな保護者のかたにおすすめなのが/
まなびの手帳ロゴ ベネッセ教育情報サイト公式アプリ 教育情報まなびの手帳

お子さまの年齢、地域、時期別に最適な教育情報を配信しています!

そのほかにも、学習タイプ診断や無料動画など、アプリ限定のサービスが満載です。

ぜひ一度チェックしてみてください。

子育て・教育Q&A