模試の成績表を学力アップに役立てる!

中3の2学期以降は、お子さまが模擬試験を受ける機会が増えてくると思います。近年、各社の模試の成績表は非常に工夫され、様々なデータが出ていますので、偏差値や合格可能性の数値だけを見るのではもったいないです。
今回は、模試の成績表を活用した学習法についてお話しします。

2学期前半、大切なのは「苦手単元」と「ミスの傾向」の発見

お子さまの模試の結果が帰ってきたら、保護者のかたは成績表や答案のどんなところを見ていらっしゃるでしょうか。やはり、いちばん気になるのは偏差値や志望校の合格可能性の数値だと思います。
しかし、2学期前半の段階で特に重視したいのは「苦手単元の発見」「ミスの傾向の発見」の2点です。苦手な単元の克服と、おかしやすいミスをなくすことに注力すれば、まだまだ得点力は伸びていきますので、合格可能性の数値に一喜一憂せず、今後の受験勉強を効率的に進めるための材料として模試を活用すべきでしょう。

お子さまにしっかり見直しの習慣がついているなら任せるべきですが、自分の苦手やミスを分析するのはどうしてもおっくうになりがちです。そこで、保護者のかたが「模試の結果、一緒にチェックしてみようか」というふうに声をかけてみることをおすすめします。

成績表から見える子どもの傾向は?

模擬試験は、同じ会社のものを何度か受けることで、成績の推移を見ることができます。成績表には、教科・単元別の分析のほか、記述・選択式などの問題形式別の分析、おすすめの勉強法などが記載されているケースもあります。

成績表を受け取ったら、まず冷静に読みながら、お子さまにどうアドバイスするのが効果的かを考える時間を取りましょう。最初によかったことを指摘するのがおすすめです。
結果的に点数に表れていなくても、以前は白紙にしていた記述問題や応用問題に取り組んでいる、漢字や英文の書き方が正確になったなど、どこかしらよい変化はあるはずです。大人もそうですが、マイナスの面ばかりを指摘されると、気持ちが閉じて相手の話を聞きたくなくなってしまいますので、まずはいいところ探しから入りましょう。

苦手教科・単元をどう克服するか?

2学期前半でいちばん大切なのは、苦手な教科・単元を発見し、確実にできるようにしていくことです。その単元に取り組む時間をつくり、いつまでに、どんな教材を使って苦手克服をするか、お子さまに自分で考えさせることが大切です。「できていない」ことを責めるのではなく「この単元をいちばん頑張らなきゃいけないね」などとざっくりと指摘してあげてください。話し合っているうちに、「その単元は、2年で習った時も苦手だったけどまだ復習が追いついてなかったな」「今月はそこを先にやろうかな」などと、お子さまの中で方針が固まっていけばよいと思います。

ミスの傾向をつかみ、得点力をつける

単位や記号の付け忘れ、計算ミス、設問に合った答え方ができていない、記述式問題で制限字数の8割以上書けていないなど、おかしやすいケアレスミスにも人によってくせがあります。ミスの傾向をお子さまと一緒に発見し、ミスをなくすようにアドバイスしてあげてください。また、時間配分に失敗して実力が発揮できなかったケースもあります。「後ろのほうは書けてないけど、時間が足りなかったの?」「そういえば、ここの難問に時間を取られたな。先にこっちをやればよかった」などと、答案を見ながらやりとりする中でお子さまが自分の課題を見つけられるとよいですね。入試問題を解くのに必要なスピード感は、何度か模試を経験するうちについてきます。

(筆者:安田 理)

プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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