2018年度中学入試 お子さまの学力を伸ばすには『ベネッセ進学フェア2017』

2017年5月、東京国際フォーラムで、中学受験を検討している保護者のかたやご本人向けに『ベネッセ進学フェア2017』が開催されました。
同フェアでは、中高一貫校約180校が一堂に会し、直接先生に質問することもできるほか、学校選びの相談ブースが設置され、専門家による講演会も開催されます。
今回はその中から、私学教育研究の第一人者である森上展安氏の講演を抜粋でお届けします。

■「子どもは変えられない」を出発点に

ここからは、学習方法についてお話しします。
10歳から15歳くらいまでの思春期は、保護者と子どもが話し合いながら共同で取り組まないと、何事も進まない時期です。自我が芽生えてきているので、小さい頃のように保護者のいうことを素直に聞かないことも増えてきますし、かといって子どもに任せきりにもできません。保護者がどこまでリードしていいのかと悩んでいるかたも多いかと思います。
子どもの学力は変わりますが、性格や興味の方向といった根本的な部分は変わりません。「子どもは変えられない」ことを前提にしないと、保護者が子どもを引っ張る形になってしまい、うまくいかないケースが多いので注意が必要です。
「子どもは変えられない」ことを前提に、お子さまの興味・関心をうまく引き出すことが第一歩です。

■正答率が高い「誰もができる問題」こそが合否を分ける

最近、難易度Cクラス(中位)で、数千人の受験生がいる大規模校の問題を分析していて、面白い発見をしました。どの教科でも、正答率が60%~70%の基本問題が合否を分けていたのです。「偏差値50の壁」とよく言われますが、ここを突破するには、誰もができる基本問題ができるようになればいい。そして、「偏差値55の壁」を超えるには、正答率50%、基礎プラス少しの応用、というレベルの問題に集中して取り組めばよいのです。難易度の高い問題は、「できなくて構わない」と割り切ることが大切です。
中学受験をするお子さまの中には、「点数が取れない」ことを気にして萎縮している子がたくさんいます。「これだけできればいいんだ!」と目標が明確になると、やる気もわいてくるでしょう。

■「算数読解力」、語彙力——日頃の会話の中で思考力や表現力を養う

2017年度入試では、「算数読解力」が話題となりました。象徴的なのは駒場東邦の「これまで算数が日常生活で役立ったことがあるか」について書かせる問題です。また、開成や麻布では、問題文が非常に長く、条件をていねいに抽出して解く「読解力」の必要な問題が出題されました。今後、ますますこのような問題は増えてくると考えられます。
今後どの教科でも必要になって来るのは言葉の力、語彙力や表現力です。言葉を鍛えるには、日常の会話がいちばんです。ご家庭の中で、わざと少し難しい言葉を使ったり、ニュースや社会的なテーマについて、お子さまと会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。身近な問題について考え、自分なりの実感や共感と共に人に伝える——そういった日頃の積み重ねが、思考力や表現力を育てていくのです。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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