共学or男子校・女子校? 地方の学校にも注目![中学入試]

お子さまが思春期・青春期の6年間を過ごす中高一貫校。
志望校を決定する前に、一度これまで検討してこなかったタイプの学校にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
今回は男子校・女子校、地方の学校のメリットについてお話しします。

男子・女子の特性を生かした指導に注目

近年は男子校・女子校より共学校に志望者が集まる傾向があります。一方で、男子校・女子校の良さを生かして高い実績を出している学校もあります。

たとえば、例年理系学部に高い合格実績を出している鷗友学園には、理数教科の教え方に独自の工夫があります。男子に比べ、女子は論理の飛躍が苦手な傾向があるので、数学はよりきめ細かくステップを踏んだテキストを使っているそうです。理科では物理・化学・生物・地学のうちなじみやすい生物を最初に学び、科目ごとにオリジナル実験書を用いて実験・観察をていねいに行っているといいます。
また、同校では中1の間だけ少人数の8クラス制を取り、3日ごとに席替えを行います。これは、女子は小グループの中でつきあいが完結しがちなので、早いうちになるべく多くの仲間とコミュニケーションを取れるようにするための工夫だそうです。

一方、国学院久我山は、授業は男女別、部活動や行事は男女で協力しながら、という男女別学を取っています。男子の授業では男子ならではの競争意識を大切にし、女子には積極的に新しいことを取り組ませるといった、男女の特質を生かす方針だといいます。特に特徴あるのはキャリア教育で、子育てや親の介護は、まだ女性の負担が大きい現実を踏まえ、社会で活躍していく女性を育てるために、女子のキャリア教育は男子より1年早い中2から始め、人生において働くことの意味を深く考えさせていくといいます。

このように、男女別学の良さを生かし、高い実績を上げている学校もありますが、共学人気ゆえに比較的入りやすくなっているケースも少なくありません。共学校、男子校・女子校にはそれぞれの良さがありますので、まずは広く検討してみてはいかがでしょうか。

「寮生活」という選択肢のメリット

「自宅から通いやすい学校」というのは志望校選びで大切な条件のひとつだと思いますが、寮生活を前提に、ご自宅から離れた地域の学校も、検討してみる価値があるかもしれません。近年、高い難関大学合格実績を誇る地方の中高一貫校が増えています。
地方の学校の良さは、自然環境の豊かさと同時に、寮での課外活動や学習支援が充実している点です。豊かな自然環境を生かし、農業体験や自然観察など、体験学習が充実している学校も多いですし、自主学習時間を設け、寮教諭や卒業生がチューターとして巡回し、質問に答えたり、小講習会を行ったりしているところも数多くあります。
家族との関係が難しくなる思春期、あえて親元から離れ、友だちと学習や課外活動に打ち込んだ結果、自立心を養うことができたという声もよく聞かれます。
夏休みには、地方の学校の見学会や寮体験会が数多く催されますので、興味のある学校があれば、レジャーを兼ねてご家族で参加してみてはいかがでしょうか。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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