速報!2017年 首都圏公立高校入試 受験生の動向【普通科編】
2017年の公立高校入試にはどんな特徴が見られたのでしょうか。首都圏の公立高校を例にとって見てみましょう。今回は普通科受験生の動向について考察します。
◆東京:進学指導重点校、志願倍率ベスト10入りは日比谷と青山のみに
まずは、東京の普通科の高校について志願者数の多かった学校を見ていきましょう(旧学区の男子・女子。単位制を除く)。東京の旧学区の普通科は、全国で唯一、男女別の定員にしています。
単位制では新宿高校(進学重視型単位制高校)が、志願者数682(男女計)で、2.40倍と高倍率を記録しています。
今年の特徴として、進学指導重点校でベスト10入りしているのは、男女とも日比谷と青山だけになったことが挙げられます。
昨年は、男子では日比谷、青山、戸山、西と4校の進学指導重点校が、女子は青山、日比谷の2校がベスト10入りしていました。男子についてみると、2015年は10校中5校、2012年は6校が進学指導重点校でした。近年、難関校にチャレンジする受験生は減少する傾向にあるといえます。
一方、男女ともランクインしている豊多摩、竹早、北園、女子でランクインしている三田はいずれも進学指導推進校で、進学指導重点校、進学指導特別推進校に次ぐ難易度の学校です。2016年は男子で豊多摩、女子で三田の1校ずつでしたから、全体として今年の受験生は「進学指導重点校」から「進学指導推進校」へと安全策をとったことがうかがえます。
女子で1位となり、男子もランクインしている広尾は、学校改革により進学実績を伸ばし、近年非常に志望者が増えています。
◆神奈川、千葉、埼玉——千葉以外は「チャレンジしない」傾向へ
次に、神奈川、千葉、埼玉の普通科で志望者が多かった学校についてみていきましょう。神奈川、埼玉の公立高校入試は1回ですが、千葉だけは前期・後期があるので、募集枠の多い前期選抜を取り上げます。
神奈川は、昨年は横浜翠嵐、湘南、希望が丘、川和と4つの学力向上進学重点校がランクインしていましたが、今年は横浜翠嵐と川和のみとなりました。埼玉も、昨年は浦和西、川越女子、浦和第一女子、県立川越、県立浦和、大宮、蕨と、「骨太のリーダーを育成する高校生のための埼玉版リベラルアーツ事業」の7校がランクインしていましたが、最難関の県立浦和、大宮が10位以内から外れ、今年は5校となっています。神奈川、埼玉での「難関校にチャレンジする受験生の減少」という傾向は、東京と共通しています。
また、3県に共通していえるのは、東京に近い学校に志望者が集中しやすいという傾向です。たとえば神奈川の志願者数上位10校のうち7校が横浜・川崎近郊にあります。
◆「チャレンジしない」傾向の背景は?
なぜ「チャレンジしない」傾向が強まっているのでしょうか。「鶏口となるも牛後となるなかれ」という言葉がありますが、入試相談などで、中学生の保護者の方々と接していて感じるのは、わが子が「牛後」となるのを恐れる気持ちです。「この高校に入ったとして、授業についていけるでしょうか」「ついていけなかった場合、補習体制はどうなっていますか」といった質問をよく受けます。難関校で苦労させるより、中位以上にいられる学校に行かせたいと願うかたが多いのだと思います。
とはいえ、入学前は不安が多くても、見事にその学校に順応し、たくましく成長していく子どもたちは数多くいます。お子さまに意欲があるなら、心配にはあえてふたをし、どんと構えてチャレンジさせることにも意義があるのではないでしょうか。
(筆者:安田 理)
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