部活・行事を頑張る受験生に対して、保護者ができることは?
高校生活最後の1年を迎え、受験勉強はもちろん、「部活や行事を最後まで頑張りたい」と考える高校生も多いはずです。保護者のかたも「高校生活を最後まで目一杯楽しんでほしい」という希望を持っていることでしょう。そこで、今回の記事では、お子さまが部活や行事を頑張りながら受験勉強を進めるために、保護者ができることを探っていきます。
部活や行事に打ち込んだ生徒こそ、後半期に伸びる可能性を秘めている
「部活や行事に熱中していると、受験勉強にかける時間が短くなり、受験に失敗してしまうのではないか」と心配されるかたもいらっしゃるでしょう。しかし、部活を夏休み前後までやり切ってから勉強に集中し、後半期に成績を伸ばした高校生も少なくありません。
こうした高校生は、「部活・勉強の両立時期に『効率的な時間の使い方』を身につけている」「短時間型学習を通して、集中力がついている」「部活引退や行事終了で精神的な達成感を得ると同時に『受験モード』への気持ちの切り替えができやすい」という理由を持っているのです。また、それまで勉強・部活(行事)の両立に苦しんだ分、忍耐力や粘りを身につけている場合も多いようです。
このように、「部活や行事に打ち込むことが受験勉強の妨げになる」とは一概に言えないことを理解しておくとよいでしょう。
後半期に力を伸ばすためには、両立時期の過ごし方が重要
とはいえ、部活引退後・行事終了後に成績を伸ばすためには、いくつかの前提が求められます。まず、勉強・部活(行事)の両立への努力をしていること。まったく勉強をしないまま部活に打ち込むのは望ましくありません。本格的な受験対策は部活引退後に取り組むとしても、日々の授業の理解と定期テスト対策はおろそかにしないように。
また、志望大・志望学部の絞り込みをしておくことも大切です。部活引退後(行事終了後)に大学について調べるのでは時期的に遅いですし、目標を明確にしておくことで、時間がない中での勉強へのモチベーションにもつながります。加えて、模試を定期的に受験し、自分の実力(得意分野や弱点)を把握しておくことも重要になるでしょう。
保護者ができることは「前向きな声掛け」と「進路についての対話」
部活・行事を最後まで頑張り、勉強と両立させようとする高校生に対して、保護者はどんなサポートができるのでしょうか? 「負担を軽減するサポート」も考えられますが、より重要なのは、「お子さまの努力を見守りつつ、前向きな声掛けをすること」です。
また、お子さまと進路について対話することも大切です。お子さまの意見を引き出しつつ、親としての考えもきちんと伝える。こうした対話を踏まえたうえで、お子さま自身が主体的に進路を選択できれば、自分の選んだ道に対して責任感が生まれ、勉強へのモチベーションにもつながるでしょう。
部活(行事)と受験勉強の両立が大変なのは間違いありませんが、これを乗り切る努力をすることは、受験勉強だけでなく、お子さまのその後の人生のさまざまな局面で、生かされることもあるはずです。