速報!2017年 首都圏中学入試の傾向と分析

2017(平成29)年の首都圏中学入試には、どんな傾向が見られたのでしょうか。
森上教育研究所主催のセミナー「平成29年首都圏中学入試の結果と分析」での発表をもとに、受験生の動向と、2017年入試のトピックについてお伝えします。

<受験生の動向>

■中学受験生は増えている?

2017年の首都圏入試の受験者数は2016年の99.6%で、全体として横ばいとなりました。しかし、小学校6年生の人口が、2016年より2.0%減少(2016年は2015年より0.9%減少)しているため、人口減少を考慮しなければ前年比101.64%となり、実質的には1.64%の増加となっています。

■男子校・女子校の減少、共学校の増加

学校種別にみると、男子校、女子校で前年より減少し、共学校では増加しています。共学校の実質的な受験者増加率は、前年の3.6%にもなっています。
なお、受験者数がピークとなった2009(平成21)年の受験者数を100%とすると、2017年の受験者数は全体で76.9%と大きく減少しています。これを学校種別にみると、男子校で78.7%、女子校は72.1%、共学で78.4%となっており、長いスパンで見れば男子校受験者はさほど減っていないことがわかります。

■難易度中上位の学校に受験生が集まる傾向

学校を難易度別にみると、難易度上位、中下位の学校の受験者数に大きな変化はありませんが、中上位は前年の103.3%と増加し、下位では93.8%と大きく減少しています。また、受験者数がピークとなった2009年の受験者数を100%とすると、2017年は上位85.8%、中上位101.2%、中下位57.4%、下位48.2%となっており、難易度が中上位の学校が多くの受験生を集めていることがうかがえます。

■大学付属校の受験者が微増

昨年は、大学付属校が前年の109.6%と、非常に多くの受験生を集めた年でした。これは、大学入試改革の方向性がまだ不透明であったため、系列大学への入学に有利な付属校に注目が集まった結果と考えられます。今年もその傾向はまだ見られ、付属校の受験者は前年の100.5%と微増しています。一方、進学校は99.6%とほぼ横ばい、半付属校(系列校大学推薦進学が30~69%の学校)は減少傾向がみられます。

<2017年入試トピック>

■英語入試と思考力入試——思考力入試が大幅に増える

英語で受けることを必須とした学校と、英語を選択できる学校がありますが、2017年、英語入試を必須とした学校は17校、入試の回数は27回でした。昨年は16校、入試回数は32回でしたので、あまり大きな変化はなかったといえます。
一方、思考力入試(リベラルアーツ入試、総合入試、適性検査型などとも呼ばれる)は、今年は大幅に増え、昨年が28校33回だったのに比べ、45校、64回実施されました。実施した学校も、入試の回数も、2倍近くに増えたわけです。
入試方法は、合教科型の入試、自分がこれまで取り組んできたことについて述べるプレゼンテーション入試、与えられたテーマについて調べ、まとめて発表する調べ学習型、グループワークなど様々でした。

■アドミッション・ポリシーとカリキュラムの整合性に注目

思考力入試を取り入れた学校のうち、特に多くの受験生を集めている学校は、入試の方針(アドミッション・ポリシー)と、入学してからのカリキュラムの整合性がはっきりしているという傾向があるようです。「こんな生徒を育てたい」「だから入試でこんな力を見たい」「その力を、こんなカリキュラムでこんなふうに伸ばしていきたい」——このように、学校の入り口から出口までの教育方針が一貫していることが大切なのです。
英語入試についても同様です。英語が得意なお子さまの志望校を考える場合、英語入試を行い、英語力の高い生徒を募集しているというだけでなく、入学後、その力をどのようなカリキュラムで伸ばそうとしているかを見極めることが重要といえるでしょう。

■「変わる社会への対応」と「変わらぬ理念」を見極めて

首都圏45校の学校説明会をレポートしたところ、校長先生がお話しされたテーマで多かったのは「未来への展望」で、人工知能(AI)によっていかに社会が変化していくかという話をされている先生もいらっしゃいました。
変化が激しく、先の見えにくい社会で生き抜いていける子どもを育てるためには、変化に柔軟に対応する力と、どんな時も揺るがない基本理念の両方が大切なのではないでしょうか。志望校決定の際は、その両方についてよく検討し、お子さまの力を伸ばしてくれる学校かどうかを厳しく見極める必要がありそうです。

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