高校生が第1志望大を決めた時期はいつくらい?保護者はどうサポートすればいい?
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「子どもの志望大決定、高3になってからだとやっぱり遅い?」
進学を見据えての第1志望大決定、多くの高校生はいつ頃行っているのでしょうか?
ベストな時期は人それぞれだとわかってはいても、保護者のかたとしては「受験勉強もあるし、目安となる時期だけでも知りたい」と思われるかもしれません。
そこでこの記事では、大学生にご協力いただいたアンケートをもとに、「志望大決定時期」や「選んだ決め手」などについてご紹介します。
アンケートからわかったデータのほか、現役大学生の実例や生の声を、お子さまの進路選択をサポートする際の参考になさってみてください。
※2024年11月に行った進研ゼミ受講経験のある大学生向けアンケート(173人回答)に寄せられた体験談をもとに作成。
高3になる前に第1志望大を決めていた人が約5割!
まずは大学生に実施したアンケートの中から、「第1志望大はいつ決めましたか?」という質問への回答結果をご紹介します。
まず注目したいのは、「高1の4~3月」と回答した人が全体の約14%、「高2の4~3月」が約33%で、合わせて約47%に達していることです。
また、「その他」と回答した人はいずれも「高校入学前から決めていた」とコメントしています。
つまり、今回アンケートに協力してくれた大学生のうち、半数が高3進級前に第1志望大を決定していたことになります。
お子さまに志望大検討を促す時期として、ひとつの目安になりそうですね。
それ以外の時期としては、「高3の7~9月」が約22%、「高3の4~6月」が約17%と、それぞれ約2割見られました。
逆に、「高3の10月以降」と回答した人は約11%と少なく、アンケート回答者のうち約9割の人は、高3の9月までに第1志望大を決めていたことがわかります。
なお、「第1志望大を決めるのに迷いましたか?」という質問も投げかけてみました。
その結果、「あまり迷わなかった」という人が約48%、「まったく迷わなかった」が約13%で、あわせて6割超でした。
ちなみに「迷った」と回答した人からは、「特に学びたいことがなくて迷った」「本当にこの大学・学部でよいものか迷った」といった意見が多く見られました。
逆に考えると、興味ある学問やめざす職業、望む学び方が明確になっていれば、志望大決定もスムーズにいきやすいのかもしれません。
また、「合格できるか自信がなくて迷った」という人は模試や大学入学共通テストの結果で判断していったようです。
\体験談/
偏差値が高い大学を志望していたので、自分には難しいのではと感じていました。
特に2次試験の数学は不安が大きく、満足に得点できるかわからなかったので、志望大を変えたほうがいいのか迷っていました。
(信州大 人文学部 S・Nさん)
なんとなく「文学部に進学して、日本文学について学びたいな」と考えてはいました。
ただ、明確に将来の夢があったわけではないので、これでいいのだろうか、と悩んでしまいました。
(東洋大 文学部 M・Kさん)
通っていた高校では、難関国立大に進学する人がほとんどいませんでした。
そのため、「自分が北海道大をめざしていいのかな?」と不安でした。
(北海道大 農学部 R・Fさん)
「学部・学科(学ぶ内容)」「難易度」「立地」
を重視して決定した人が多数
志望大決定に関して、決め手となった項目をすべて挙げてもらったところ、約90%の人が「学部・学科(学ぶ内容)が決め手になった」と回答しました。
やはり、「何を学ぶか」は志望大選択において大きな決め手になりやすいようです。
ほかには、「難易度」を挙げた人が約63%、「立地」が約56%と、それぞれ高い割合で見られました。
大学生のコメントを見ると、「重視したい項目をいくつかピックアップし、より自分の希望に合う大学・学部を志望大として選んだ」という人が多いようです。
逆に、「保護者の意見」や「就職実績」を決め手に挙げた人は少なめでした。
ただ「保護者の意見」に関しては、「方向性を決めたうえで、家族で話し合った」という声も多数ありました。
自分の意志を大切にしつつ、保護者のかたの意向も取り入れながら志望大を決定した人が多いと推測できます。
\体験談/
教員になりたいので、教育学部に行きたいと思っていました。
また、自宅から通える国立大に行くことで学費の負担も減らしたいと思い、親と相談しながら志望大を決めました。
(埼玉大 教育学部 H・Iさん)
私は地域創造について学べる学部に進学したかったので、国公立大・私立大に関わらず複数の大学をピックアップしました。その中でも「フィールドワークの学びが充実しているかどうか」を重視して絞り込み、静岡大の大学説明会へ。実際に教授とお話しできて、自分の望む学び方ができるとわかったため、第1志望大に決定しました。
(静岡大 グローバル共創科学部 Y・Kさん)
千葉県在住なので、自宅から通えて知名度のある千葉大に行ければいいな、と高校1年生の時から憧れていました。2年生でオープンキャンパスに参加し、印象がよかったため、「ここしかない!」と決めました。
(千葉大 教育学部 M・Kさん)
就職したい業界をある程度決めて、各大学のパンフレットの就職先一覧を見ながら少しずつ選択肢を絞っていきました。最終的には信頼している先生に相談し、自分の実力にも見合っていて、雰囲気や学べる内容も気に入った大学を第1志望大に決めました。
(早稲田大 法学部 Y・Mさん)
併願大は高3・7~12月に決定した人が約6割
併願大に関しては、ほとんどの人の場合、第1志望大との兼ね合いで難易度のバランスや入試スケジュールを検討しながら決定していきます。
そのため、第1志望大に比べると決定時期は遅い場合が多いです。
アンケートで「併願大も含めて最終的に受験する大学・学部を決めたのはいつ頃ですか?」と質問したところ、「高3の7~9月」が約28%、「高3の10~12月」が約29%と1、2番目に多く、それぞれ約3割見られました。
併願大の決定に関しては、「第1志望大が確定してから高3の12月ごろまでに」と考えておくとよさそうですね。
保護者も子どもの志望大決定を
早い時期からサポートしていくのがベター
先のアンケート結果でもご紹介したとおり、志望大を選んだ決め手として「保護者の声」を挙げた人は全体の約17%と少なめでした。
しかし、「保護者の意見を重視した」という人のコメントを見ると、「自分に合いそうな大学を親が紹介してくれた」「両親と話し合って決定」などの声がめだちます。
保護者のかたがお子さまの選択にしっかり寄り添っていた様子がうかがえますね。
\体験談/
親が教師だったので、自然と教師という職業に魅力を感じるようになりました。
進学先を検討するにあたっても親に相談し、勧めてくれた大学を志望大に決めました。
(愛知教育大 教育学部 S・Nさん)
小学生のころから管理栄養士になることを目標としていたため、管理栄養士養成校かつスポーツ栄養分野に力を入れている大学を候補としてピックアップ。また、実家から遠すぎない範囲で数校に絞り込み、両親に相談しました。その中から、家族が背中を押してくれた大阪公立大を第1志望としました。
(大阪公立大 生活科学部 M・Kさん)
情報収集やアドバイスなど、志望大決定に向けて保護者のかたができるサポートはたくさんあります。
大学・学部や学問、職業について一緒に調べたり、お子さまに付き添ってオープンキャンパスなどのイベントに出かけたりしてみてはいかがでしょうか?
早い時期から志望大検討をスタートし、目標を明確化しておくことで、日々の学習に対するモチベーションも自然と高まりやすくなります。
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まとめ & 実践 TIPS
早い時期に志望大が決まっていれば、前向きに学習に取り組めるなどのメリットがたくさんあります。
ただ、「早く決めなさい」とお子さまをせかしても、反発される可能性も。
お子さまがワクワクしながら進路検討できるよう、将来に目を向けるきっかけになる会話を、ご家庭で少しずつ増やしていくとよいかもしれませんね。
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