超名門校、洛北・西京附中の適性検査、「こだわり」とその理由

入試問題。
それはただ問題を並べただけのテストではありません。出題する学校の理念、言いかえれば「こんな生徒に入学してほしい!」という強いメッセージがこめられています。小学校入試から大学入試まで同じことがいえるでしょう。出題する先生がたは、建学の精神・理想の生徒像を常に念頭において、受験生の想像をはるかに超える時間と労力を費やして入試問題を作成しているのです。

千年の都、京都で圧倒的な人気を誇る洛北高校附属中学校、西京高校附属中学校。
2校とも適性検査といわれる入試問題への「こだわり」がしっかりとあり、先生がたの情熱がひしひしと伝わってきます。そしてそれは、算数のような一見無味乾燥と思える科目でも顕著にあらわれているのです。
洛北・西京附中の専門塾、進学館プライベートスクールの中井基臣が、算数の入試問題を通してぜひ参考にしてほしい、究極の入試問題対策をご紹介します。

洛北附中の「こだわり」は立体図形にあり

実は、洛北高校は日本でいちばんノーベル賞受賞者を輩出している超名門校です。(湯川秀樹氏、朝永振一郎氏の2名がご出身です)「洛北サイエンス」と呼ばれる“本物にふれる教育”を基本コンセプトにしており、企業・大学・研究所と連携して専門家の指導を受けたり、直接施設で体験・実験したりする科学的な学びを重視しています。文部科学省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定も受けており、どちらかといえば理系を重視した学校といえるでしょう。

その洛北附中が入学適性検査で強くこだわっているのが立体図形。2017年度入試では、5題の大問のうち、なんと2題も立体図形に関する問題が出題されました。同校が立体図形の問題で受検生に求めているのは、見えないところを想像する力、細部まで考える力、変化をとらえる力、正確に作図する力などです。知識やパターンに頼らない、本物の思考力・・・と呼ばれるものです。ちなみに、中学受験の最高峰といわれている灘中でも、算数の入試問題で立体図形が毎年のように出題されています。(それも1題ではなく複数!)

算数・数学の華である立体図形。来年以降も出題は必至です。洛北附中をめざす小学生は、入念に立体図形の勉強をしておきましょう。オススメの学習方法は、問題を解くときに必ず「作図をして取り組む」ようにすることです。図を描くことによって、立体図形の構造が本質的に理解できるようになります。

西京附中の「こだわり」はデータ分析にあり

今や、洛北附中と並ぶ勢いの人気を誇る西京高校附属中学校。この学校もまた、算数の入学適性検査で強くこだわっているものがあります。それはデータ分析の問題。時事的な要素もからめ、資料を読みとる問題は、西京附中の十八番です。2017年度は「海外旅行でいくらお土産に使うか」というデータから出題、その前年は「図書館の利用者数と貸し出し冊数」のデータから、さらにその前年は「京都市に宿泊した外国人客数」のデータから出題、といった具合です。

西京附中が受検生に要求しているのは、グラフの読み方、数値を正確に扱うことのできる計算力、資料中の数字がもつ意味を正しく判断する力、などです。そもそも同校は「エンタープライジング(進取の気性、冒険心)」を校是に掲げており、社会のあらゆる事象に対する分析力や自己決断力を備えたリーダーの養成を理想としています。さらにいうと、西京高校はもともと商業高校からスタートしており、情報処理については元来こだわりをもっている学校なのです。そう考えれば、毎年データ分析の問題が出されるのは当然だといえるでしょう。

狭き門の西京附中ですが、この学校をめざす小学生はぜひ、グラフ(特に数値表、円グラフ、帯グラフ)、割合の計算にたっぷりと練習時間を割くようにしておきましょう。

究極の入試対策とは?

冒頭で述べたとおり、入試問題にはどの科目においても、その学校の理念が必ず反映されているものです。そして、この傾向は、特に伝統校、名門校、難関校に色濃くあらわれています。まずは、過去問を徹底的に分析し、研究することこそが、合格への第一歩です。敵を知り己を知れば百戦危うからず・・・、究極の入試対策は過去問にあり・・・というわけです。

ただ、中学受験の場合、小学生が過去問を解いて傾向を分析するのはほとんど不可能です。これは、おうちのかたや塾の先生など、大人の役割です。実際に過去問に取り組むことによって得られる情報には計り知れない価値があります。めざす学校の入試問題への「こだわり」を発見することができれば、効率的で無駄のない受験勉強を子供に明示することが可能になるからです。これはとても大切なことです。

中学受験を志す小学生の保護者の皆さま。お子さまの志望校が決まっていれば、その学校の過去問に取り組んでみてはいかがでしょうか。お子さまと一緒に戦ってあげることで、家族の絆・団結力が深くなれば、実にすてきだと思いませんか。

プロフィール


中井基臣

洛北・西京附中の専門塾、進学館プライベートスクール烏丸御池校の算数講師。進研ゼミ公立中高一貫校受検コースの教室授業も担当。
楽しく算数を学ぶことができるように、お絵かき戦法、ピカピカ戦法、海苔巻き戦法など、数々のワザを考案し、日々子供たちに伝授している。

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