受験だん。親子インタビュー 浪人生活の苦労と心の支え [大学受験]
ベネッセ教育情報サイトの記事「おぐらなおみの『受験なう。』」でもお知らせしたとおり、ムスメ(マーちゃん)が関東の私立大学に合格し、晴れてこの春から大学生となりました。そこで、浪人生活を振り返り、親子インタビューをお送りします。浪人ならではのつらさや心の支えになったものはどのようなことだったのでしょうか。おぐらさん親子の1年を振り返ります。
- ※さよなら受験生活、なう。 [大学受験]
- http://benesse.jp/juken/201604/20160413-1.html
■「浪人だから成績が上がって当たり前」という思いに苦しめられた1年
●おぐらさん
ムスメ(マーちゃん)が浪人生になってからは、とにかく「あとがない」ということを、親子ともども感じていたと思います。さらに、「浪人だから成績が上がって当たり前」と思っていたので、成績が伸び悩み、ムスメが不安な気持ちになっていた時には本当にどうしていいかわからなくなってしまいました。実は何度も「そんなに苦しいなら、もう受験しなくていいじゃない」と言ったことがあったんです。楽になってほしいという気持ちで言ったのですが、一生懸命がんばっている子どもに向かってそんな言いかたはなかった、もっと違う言葉をかけられなかったのか、と今でも後悔しています。
最後のほうは本当に追いつめられてしまったようで、家で食事をしながらポロポロと涙をこぼしたり……。そんな姉の姿を見て弟のコーちゃん(中学2年生)はもらい泣きしていました。ちなみに、彼は「勉強しないと大変なことになる!」と思ったのか、自主的に塾に行くようになりました。どうやら姉の様子から、受験に対する心構えが相当できたようです。そういう意味ではよい影響を与えたのかな(笑)と思います。
○マーちゃん
「浪人だからできて当たり前」という気持ちはすごくありました。できない時、成績が上がらない時は現役の受験生の時よりもストレスを感じました。
浪人生活も初期の5月くらいまでは日曜日に息抜きに出かけたりもできたのですが、だんだんそんな余裕がなくなってしまったんです。出かけるどころか、休んでいる時は罪悪感や焦燥感にさいなまれ、ずっと機嫌が悪いという感じでした。
母に「受験しなくていいじゃない」と言われた時は、特にひどいことを言われたとは思いませんでした。逆に、「自分で選んで受験しているんだな」ということを思い出せたので、よかったと思います。ずっと予備校にこもっているとそれが普通になってしまって、「がんばって勉強しよう」と思っていたことを忘れてしまうんですよね。なので、そのことについてはあまり気にしていません。
■浪人生活を支えたのは、お弁当と先に合格した友達の応援
●おぐらさん
保護者としては、勉強に集中できるようにしてあげたいという思いから、主に生活面でのサポートをしてきたつもりです。なかでもお弁当作りをしたことが好評でしたね。九州から関東に引っ越してきての浪人生活だったので、お昼もランチを食べに行きたいかなと思っていたのですが、「お弁当を作ってくれたのがよかった」と言われました。お弁当だけでなく、マドレーヌなど、小腹がすく夕方に食べられる甘いものをつけるのがこだわりで、「お弁当」「お茶」「ドリップしたコーヒー」「甘いもの」のセットを1年間続けました。過保護かとも思ったのですが、1年間の期間限定のことなので、割り切った気持ちでいましたね。
受験そのものに関しては、私がわかっていたのは受験科目くらいかもしれません。家からどうやって通うか交通手段のアドバイスはできるのですが、どこの大学をどういう方法で受験するのかは本人主体でした。
○マーちゃん
毎日のお弁当は本当にありがたかったです。一度予備校を出ると移動で疲れてしまうし、毎日コンビニでもやっぱり飽きちゃうし、胃がもたれてしまったりして勉強に集中できなかったと思うので。
一生懸命がんばった記録が残っているノートや教科書は、勉強している時には心の支えだったのですが、受験が終わった後にハイになって捨ててしまいました(笑)。ただひとつ取ってあるのはいちばん最後まで繰り返し使っていた日本史の教科書です。頻出箇所の書き込みの多さは支えになりました。
浪人生活の支えとなった、先輩にもらった大学別過去問題集。表紙の裏にメッセージが書き込んであります。 |
九州の友達がくれた手紙は、連載でも紹介されていましたが、それ以外にも先輩が大学別過去問題集をくれたんです。問題を解いていたら、表紙の裏にメッセージが書いてあるのに気付いて、とてもうれしかったです。これは現役の時にもらったものなのですが、浪人後もずっと持ち歩いていました。また九州だけでなく、現役でこちらの大学に合格している友達といろいろな話をするのもよい刺激になりましたね。特に、仲のよい友達に会うと、がんばろうと思えました。