理学療法士ってどんな職業? どうすればなれる?
世の中にはたくさんの職業があります。どんな仕事内容で、どういう人が向いているのか知っておくことは、自分の可能性を広げるためにも、大いに役立つでしょう。今回は医学的なリハビリテーションの専門職のひとつ「理学療法士」を取りあげます。
理学療法士とは?
「理学療法士」は、病気やけがなどによって、座る、立つ、歩くなどの基本動作能力が低下し、その後の生活に支障が出てしまう可能性がある人に対し、失われた能力を回復・維持したり、悪化を防ぐなどして日々の生活を支援する人々です。医学的なリハビリテーションの専門職のひとつであり、Physical Therapist(PT)とも呼ばれます。
理学療法士の仕事の内容
理学療法士による治療は、医師の処方にもとづいて治療計画を立てることから始まります。対象者(治療を受ける患者)の病状や能力、生活環境などを配慮し、どの程度のことができるようになるかの目標を定め、その目標に向けてのプログラムを組んでいくのです。治療の方法は、器具を使わない「徒手療法」、治療体操、運動療法(歩行やその他の動作の訓練)のほか、電気で刺激を与えるという方法もあります。
働く場所は、一般病院やリハビリテーション施設、老人ホームなどの福祉施設などです。
理学療法士になるために必要な資格
理学療法士として働くためには、「理学療法士及び作業療法士法」にもとづき、厚生労働省が実施する「理学療法士国家試験」に合格しなければなりません。この国家試験を受験するためには、理学療法学科など養成課程がある大学、短大、専門学校など指定の養成施設で3年以上学習する必要があります。
2014年の国家試験は1万1129人が受験して9315人が合格し、83.7%の合格率でした。
理学療法士の将来性は?どんな性格の人が合っている?
病気やけがをしていなくとも、機能の衰えの予防・機能維持のためにリハビリを求める人々も多く、理学療法士の活躍の場は今後さらに広がっていくと考えられます。
理学療法士は常に対象者と向き合い、一人ひとりの性格や生活パターンなどを分析していく必要があります。そのため、理学療法士に向いていると考えられるのは、まず「人との触れ合いを楽しめる人」。リハビリには精神的な支えも必要ですから、人とのやりとりや会話を通じて心から支援できる気持ちが大切です。また、その人の病状や体の変化を察知できる「観察力」、その結果を分析できる冷静さも重要であると考えましょう。